門別町・白井牧場代表の白井民平氏が死去―自殺の疑い

 【読売新聞】 門別町・白井牧場代表で、元・日本馬術連盟理事の白井民平氏(59歳)が、平取町の牧場施設で死亡しているのが発見された。遺書があり、門別警察署では自殺とみている。白井氏は5月25日午後から行方が分からなくなり、家族が探していたという。

 白井牧場は1963年創業。主な生産馬には、チアズグレイス[2000年桜花賞(GI)]、グルメフロンティア[1998年フェブラリーS(GI)]、オースミシャダイ[1990年阪神大賞典(GII)]、ミスターシクレノン[1989年鳴尾記念(GII)]、エモシオン[1999年京都記念(GII)]、エンゼルカロ[1999年函館3歳S(GIII)]、ミスタートウジン[99戦11勝]。同牧場は1978年には門別町に観光牧場「日高ケンタッキーファーム」を開設し、また白井牧場不二ファーム乗馬クラブを運営するなど、最盛期には馬産だけでなく乗馬・観光牧場を含む多角経営に乗り出していた。

 このうち、日高ケンタッキーファーム日高管内有数の観光施設といて根強い人気を誇っているが、1992年に丸井今井(札幌市)へ営業権を譲った(後に2003年1月に自己破産、現在は新会社の元で営業継続中)。1995年以降の生産牧場ランキング(中央・地方総合)は11位→6位→7位→14位→8位→7位→17位→27位→34位で推移し、今年・2004年度の生産牧場ランキングでは総合44位(2004年5月25日現在)にまで後退。一概に比較はできないが、最近5年間で生産馬の収得賞金額が7分の1になっていた。こうした経営環境の変化を受けてか、最近では、2003年7月に乗馬用の種牡馬として輸入していたセルフランセ種牡馬「ブレットサンクレール」号を転出させたほか、2003年11月には門別町旭町の第一分場を社台ファームに売却するなどし(現在の社台ブルーグラスファーム )、経営資源を馬産本業に集約しつつあった。

 白井民平氏は東京都出身で、父は「ケイシュウ」創始者の白井新平氏早稲田大学経済学部在学中に同大馬術部部長を務めて卒業後、単身で北海道に渡り24歳で白井牧場を開設した。同牧場の開設に際しては、先代の社台ファーム代表・吉田善哉氏(1993年死去)が精神的助力を惜しまなかったという逸話がある。なお、1996年アトランタ・2000年シドニー夏季オリンピックで乗馬の日本代表として連続出場した白井岳選手は氏の長男。

 (ネット上の第一報は21時29分付の読売新聞だったが、「2ちゃんねる」では少なくとも17時10分の時点で情報が出回っていた模様。)