さようなら〜2002年供用停止種牡馬外伝その49「ミラーズメイトの場合」

 JRHR日本軽種馬登録協会から2002年供用停止種牡馬一覧が公表されたのを受けて、MilkyHorse.comではニュースコンテンツ「文芸欄」の企画として、まよ氏@MilkyHorse.comの執筆による供用停止種牡馬の馬生を簡単に振り返る外伝を連載します。

 ミラーズメイト[Miller's Mate(GB)]→2002年8月21日、用途変更

 1982年生。父は、英国ダービー(英GI)、キングジョージ〓世&クイーンエリザベスS(英GI)、凱旋門賞(仏GI)と、ヨーロッパ「現代三冠」を制した近年最高の名馬のMill Reef。母はVaguely Noble牝馬のPrimate。Vaguely Nobleは、現役時代に名馬Sir Ivorを下して凱旋門賞(仏GI)に優勝。種牡馬としては近年最高の名牝Dahliaを輩出し、1973年、74年と英愛リーディングサイヤーに輝いた名馬。また、祖母のPistol Packerは、仏オークス(仏GI)、ヴェルメイユ賞(仏GI)、サンタラリ賞(仏GI)、ノネット賞(仏GII)などを制し、凱旋門賞(仏GI)でもミラーズメイトの父であるMill Reefの2着した名牝。近親にコロネーションS(英GI)勝ち馬のKissing Cousinがいる。

 現役時代は、デビュー戦のウッドデイトンSを快勝。2戦目のGIIIでは、後の愛ダービーLaw Society、後のキングジョージ〓世&クイーンエリザベスS(英GI)勝ち馬Petoskiらを抑えて1番人気に支持されたものの、レース中に骨折して、結局そのまま引退した。

 種牡馬としては、エッティンゲン・レネン(独GIII)2着のスペランセラなどを出した後、日本に輸入。輸入後は条件級の産駒がほとんどで、残念ながらこれといった活躍馬は出せていない。Mill Reef系で、競走成績は貧弱ながらも母系は優秀というパターンは、ミホノブルボンマサラッキを出したマグニチュードと同じパターンだけに、残された産駒から大物が出る可能性はわずかながら残されているはずである。何とか期待をつないでもらいたい。(文責:ま)