第39回CBC賞(GII)は、シーイズトウショウが優勝

 【JRA日本中央競馬会】 12月21日に中京競馬場で行われた第39回CBC賞(GII)[芝1200m]は、好位の内を追走した3番人気シーイズトウショウ(牝3歳)[安藤光彰騎手・鶴留明雄厩舎]が、ゴール前先行する2頭の間を割って抜け出して優勝、久々の2勝目を初の重賞制覇で飾った。

 高松宮記念(GI)以来の休み明けとなった9番人気のカフェボストニアンは2番手追走からよく粘ったものの、勝ち馬の決め手に屈してこのレース昨年に続く2着。同じく高松宮記念以来となった11番人気のゴールデンロドリゴは、後方追走から直線ゴチャつきながらも内を突いて鋭く伸び、ゴール寸前で3着に浮上。単勝1.7倍と断然の一番人気のテンシノキセキは、先行したものの道中の行きっぷりが悪く、直線も流れ込んだだけの4着に終わり、三連複は142,800円の大波乱となった。

 近走不振で最低人気だったナムラマイカが中団からいつにない伸びを見せ、あわやの5着。条件戦を連勝して臨んだ3歳の上がり馬ドローアウターは、先行してよく粘ったものの、ゴール寸前で力尽きて6着。前走3着と復調気配を見せていたサーガノヴェルは、好位追走も直線伸びず8着。前走、アンドロメダSを逃げ切って久々の勝利を挙げたカルストンライトオは、好発からハナを切ったものの直線失速して10着。

 この秋スランプの、高松宮記念2着馬サニングデールは、得意の中京コースでも変わり身なく後方侭の11着。今年のアイビスサマーダッシュ(GIII)勝ち馬イルバチオ、昨年のこのレースの勝ち馬リキアイタイカンも後方侭でそれぞれ12着、14着に沈んだ。

 勝ったシーイズトウショウは、父サクラバクシンオー、母ジェーントウショウ(母父トウショウフリート)という血統構成。昨年夏の小倉でデビューし、折り返しの新馬で初勝利。その後もファンタジーS(GIII)2着、阪神ジュヴェナイルフィリーズ(GI)4着、チューリップ賞(GIII)4着、桜花賞(GI)2着など堅実に上位を賑わせていたものの勝ちきれないレースが続き、夏休みを挟んだこの秋も、5着、3着、2着と入着が続いていた。今回は笠松安藤光彰騎手に乗り替わり、詰めの甘さが一変。前を行く2頭の間に突っ込む鞍上の気迫に応えて待望の2勝目を挙げた。今回、一線級の馬が出ていなかっただけに、即来年の高松宮記念に繋がるかは微妙だが、もともとが相手なりに走れるタイプの上、成長力のあるサクラバクシンオー産駒だけに、楽しみな馬となったことは間違いなさそうだ。

 2着のカフェボストニアンは、気性や脚元に問題を抱えているものの、スピードは一級のものがあることを改めて示した。今後もコンスタントに走れるかは微妙だが、上手く歯車が噛み合えば一線級でも楽しみがありそう。3着のゴールデンロドリゴは、走っても人気にならないタイプだが、休養前の高松宮記念5着が示すように、短距離での差し脚は侮れない。今回は鞍上の吉田稔騎手の手腕も大きく貢献した感もあるが、休み明け、直線ゴチャつくシーンがありながらの好走はフロックとはいえない。展開次第では今後も要注意だろう。

 人気を裏切ったテンシノキセキは、前日の雪の影響で力のいる馬場となったことが災いしたのかどうにも不甲斐ないレース振り。パンパンの良馬場での巻き返しがあるかどうかだろう。以下、今後に楽しみがある馬は3歳馬で昇級初戦ながら見せ場を作ったドローアウター。逆に、得意コースでも結果の出なかったサニングデールの不振は少々気になるところだ。