第8回中山グランドジャンプ(J・GI)直前展望―MilkyHorse.com本紙による分析と展開

 今年の中山グランドジャンプ(JGI)は、欧州勢こそアンジュドゥボモンの調教中の骨折で不在となったものの、15頭の多頭数な上に出走馬のほとんどが一発あって不思議ないメンバーで、なかなかに難解なメンバー。昨年のこのレースの勝ち馬カラジと、昨年の中山大障害勝ち馬テイエムドラゴンをどう評価するかがポイントとなるだろうか。
 
 http://keiba.yahoo.co.jp/scores/2006/06/03/07/11/denma.html
 
 馬場状態も読み切れないだけに難しいところだが、中心は昨年のこのレースの勝ち馬◎カラジとする。昨年のこのレースはまさに完勝と言っていい内容。今年も豪州の平地戦を叩きつつ調整され、前哨戦のペガサスジャンプS2着からのローテーションは昨年とほぼ同じ(昨年はペガサスジャンプS3着)。父がカヤージ(代表産駒のイルドブルボンは不良の若葉Sを圧勝したミナモトマリノスや秋の福島の荒れ芝で福島記念を勝ったシルクグレイッシュを輩出)なら馬場が渋ってもまったく問題ないはずで、ここは信頼できそうだ。
 相手は極めて難解も、少しひねって○メジロオーモンドを狙ってみたい。前走の中山大障害こそ大敗も、本来中山コースは大得意の馬。その大敗の前走は調整ミスで太目が残ったのが敗因だけに度外視してもよさそう。ここは休み明けの一戦も、鉄砲実績も十分だし、中間の調整過程から今回はきっちり仕上がっていそう。すんなり先行できれば一発あってもおかしくはない。
 もちろん、同じメジロ勢の▲メジロベイシンガーもチャンスは十分だろう。前走の中山大障害は3着に終わったものの、これは力負けというよりはテイエムドラゴンの出し抜けにやられた感が強い。メジロオーモンド同様それ以来のレースとなるが、こちらも鉄砲は問題なし。好位で折り合う形から、強気に抜け出しを図れば押し切りのシーンがあっておかしくはない。
 そのほかにも伏兵は多彩だが、面白そうなのは△バルトフォンテン。デビュー以来1戦毎に力をつけ、前走の阪神スプリングジャンプ(JGII)ではテイエムドラゴンの3着。阪神に遠征していっての0.5秒差なら、テイエムドラゴンとの差はほとんどないといってもよさそうで、地元の中山に戻れば逆転まであってもおかしくはない。中山コースの仕掛けどころを熟知する横山義行騎手というのも心強いし、戸田厩舎は先週桜花賞(GI)を勝っているだけに勢いもある。これは侮れない1頭だろう。
 もちろん、おなじみの△マイネルオーパー、△テレジェニックの関東の古豪も有力なのは間違いない。ただ、これまで大一番では善戦止まりを繰り返しているだけに、勝ちきるには展開の助けが必要となるのではないか。それならば、人気はないが昨年暮れの中山大障害で見せ場を作った△マイネルユニバースも面白そう(先日急逝した父メジロマックイーンのためにも頑張ってもらいたい)だし、連闘ながら中山コースに滅法強い△ローレルデフィーも侮れない。
 人気のテイエムドラゴンは、昨年暮れの中山大障害圧勝が評価されているが、あれは白浜騎手の絶妙なタイミングでの仕掛けが嵌った面もある。前走の内容を見ても、能力的にはあくまでも有力馬の一頭というべきで、人気の割には妙味がなさそう。もちろん勝ってもおかしくはないが、二走前に鼻出血をした影響も心配だし、ここは思い切って軽視したい。
 ほかでは、アズマビヨンドは、ベストの乗り方をした暮れの中山大障害が善戦どまりの6着で、中山コースではあそこが精一杯だろう。中山大障害2着のメルシーエイタイムは、あの時は展開が嵌った間もあるが、それ以来となった今季初戦の阪神スプリングジャンプ4着の内容はそう悪くなく、印は回らなかったものの、今回もそこそこ以上にはやれそう。アインオーセンも力をつけてきているものの、先行の利を生かしてもここは善戦どまりか。他の外国馬では、フォンテラがペガサスジャンプSの内容が悪すぎで、昨年の経験から距離延長も歓迎とは言えないだけに。むしろマーロスの方が一回使った上積みと距離延長は歓迎と思われるだけに、馬場が渋って時計がかかれば変わってくるかもしれない。(文責:ま)