ドバイ国際競走−ドバイワールドカップ(首GI)はロージズインメイが優勝、アジュディミツオーは着外

 アラブ首長国連邦ナドアルシバ競馬場で行われたドバイ国際競走は、メインのドバイワールドカップを、一番人気に推された昨年のBCクラシック(米GI)2着馬ロージズインメイが優勝した。日本から遠征したアジュディミツオーは、道中3番手追走から見せ場は作ったものの、直線は伸びきれずに6着に終わった模様。なお、ゴドルフィンマイル(首GII)はグランドエンポリウム、UAEダービー(首GII)はブルースアンドロイヤルズ、ドバイシーマクラシック(首GI)はフェニックスリーチ、ドバイゴールデンシャヒーン(首GI)はサラトガカウンティ、ドバイデューティーフリー(首GI)はエルヴストロームが制している。

 ゴドルフィンマイルは、道中2番手につけたグランドエンポリウムが、勝負所で早くも先頭に立ち、そのまま直線も押し切って優勝した。2着には好位追走から内目をついて追い上げたラムタラの半弟のケイス。逃げたアメリカからの遠征馬ツィガンは、勝負所で手応えが怪しくなったものの、直線もしぶとく粘りこんで3着に入った。

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 UAEダービーは、人気のシャマーダルが好発からハナを切って逃げる展開。シャマーダルは手応え良くマイペースで逃げているように映ったが、勝負所で一気に手応えを無くして直線は完全に失速。代わって、中団追走から勝負所で内目を追い上げたブルースアンドロイヤルズが、直線抜け出すとそのまま独走して圧勝した。

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 ドバイシーマクラシックは、ゴドルフィンのペースメーカーのラズカラがハナを窺うものの、オミクロンが掛かり気味にハナを奪い、かなりのスローで流れる展開に。有力どころでは昨年の凱旋門賞(仏GI)2着馬チェリーミックスが中団、昨年のタタソールズゴールドカップ(愛GI)勝ち馬パワーズコートは後方からの競馬となる。

 道中もほとんど隊列が変わることなく進み、勝負は完全に直線の決めて比べに。直線を向いたところでラズカラが抜け出し、後続も追い上げにかかろうとするが、なかなかその差が詰まらない。チェリーミックスは勝負所で早くも手応えが怪しくなり、直線は完全に失速。パワーズコートは直線で大外に出して追い込みを図るものの、この流れでは届くはずもなく結局末脚不発に。

 そうこうしているうちにいつの間にか馬群を縫って差を詰めてきていた昨年の香港ヴァーズ(港GI)勝ち馬フェニックスリーチが、ゴール寸前で一気に抜け出して優勝した。2着にはそのままラズカラが粘りこみ、好位追走から流れ込んだコリアーヒルが3着に入った。

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 直線で行われるスプリント戦のドバイゴールデンシャヒーン(首GI)は、スタート直後から内と外に完全に馬群が二分される展開に。内には人気のピコセントラルを中心とした米国勢が、外にはトロピカルスター、ボタニカルを中心に中東勢が占める形となる。

 道中は、内と外がそれぞれ前に出かかるが、ゴール前で内の馬群の中から抜け出したサラトガカウンティが、そのまま押し切って優勝した。

 2着争いは、勝ち馬を追い上げたピコセントラルがそのまま入るかと見えたが、ゴール前で外から一気にトロピカルスタートボタニカルが強襲し、それぞれ2着、3着に。ピコセントラルは、内の馬群でのポジション争いの際に勝ち馬に寄られて下がる不利があり、そこからの追い上げに脚を使ってしまった分ゴール前失速して4着に終わった。

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 芝の1777mで行われるドバイデューティーフリー(首GI)は、オーストラリアから遠征してきたコーフィールドカップ(豪GI)の勝ち馬エルヴストロームが、ガッチリと抑えたままハナに立ち、そのまま超スローペースで流れる展開。昨年のこのレースの勝ち馬ライトアプローチは好位追走、昨年の香港カップ(港GI)勝ち馬アレキサンダーゴールドランは中団からの競馬となる。

 直線を向いてもエルヴストロームは先頭で粘り、これに昨年の香港ヴァーズ(港GI)2着のサイツオンゴールドが内から差を詰めにかかるが、逆にこれをゴール前で突き放してエルヴストロームが抜け出し、そのまま押し切って快勝した。

 2着には道中2番手追走からしぶとく粘りこんだウイリーが入り、一団となった3着争いは、好位追走から勝負所で外を回って追い上げたライトアプローチが入った。