[大井]第28回京浜盃(南関東G2)|優勝:シーチャリオット|父:シーキングザゴールド|生産:米国・Darley

 3月23日に行われた羽田盃の前哨戦の京浜盃は、単勝1.2倍と圧倒的な一番人気に推されたシーチャリオット(牡3歳)[内田博幸騎手、川島正行厩舎(船橋)]が、中団追走から直線アッサリと差しきり、後続に5馬身差をつけて圧勝した。勝ちタイムは1:46:0。

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 レースは、昨年のハイセイコー記念勝ち馬トウケイファイヤーが掛かり気味にハナに立ち、ブルーバードカップ4着の父コロニアルアフェアー産駒ビービーレアルが2番手を追走する流れ。ホッカイドウ競馬からの転入後4連勝中の父カコイーシーズ産駒メイプルエイトが3番手につけ、出遅れたシーチャリオットは中団から、しらさぎ賞4着の父スキャターザゴールド産駒ワタリファイターは後方からの競馬となる。

 勝負所でシーチャリオットが外を回って進出すると、他の有力どころも仕掛けに入って直線へ。直線では懸命に粘りこみを図るトウケイファイヤーを、シーチャリオットがアッサリと捕らえ、そのまま5馬身差をつけて優勝した。

 2着には逃げ粘ったトウケイファイヤーが入り、勝負所で置かれながら直線盛り返したメイプルエイトが3着。2番手追走から流れ込んだビービーレアルが4着。後方追走のワタリファイターは、直線差を詰めたものの5着に終わった。

 以下、ニューイヤーカップ2着の父ミシル産駒ジルハーは後方儘の7着。昨年のハイセイコー記念3着のガイアヘッドは、中団追走から勝負所で進出したものの直線一杯となって8着に終わった。

 勝ったシーチャリオットは、父が2000年のドバイワールドカップ(首GI)勝ち馬Dubai Millenniumや、1998年のスプリンターズS(GI)勝ち馬マイネルラヴなどを輩出している名種牡馬Seeking the Gold、母が1999年のフィーユドレール賞(仏GIII)を制し、2000年のブラックヘレンH(米GII)を2着したNeptune's Bride(母父Bering)という良血馬。シェイク・モハメド率いるDarleyの自家生産馬で、名義上の馬主はダーレー・ジャパン・レーシング(有)。昨年9月の船橋でデビュー勝ちし、続く平和賞を圧勝。一番人気に推されて臨んだ全日本2歳優駿(統一GI)では惜しくもプライドキムの2着に敗れたものの、NARグランプリサラブレッド系最優秀2歳馬を受賞。今期は、大井緒戦となる準重賞の雲取賞を快勝してここに臨んでいた。

 シーチャリオットは、ここではモノが違うといった印象を見せる強さで順当勝ち。2着のトウケイファイヤーハイセイコー記念を勝った時の内容から決して弱い馬ではなく、この内容なら南関東のクラシック路線はほぼ間違いなくこの馬のものだろう。あとはスタートの悪さを主とした気性面の成長が課題だろう。南関東クラスでは能力でカバーできても、全日本2歳優駿がそうだったように、統一GIクラスとなるとこの気性がどうしても弱点として働いてしまうだけに。

 2着のトウケイファイヤーは、掛かり気味のレースながら良く粘っている。今回は勝った馬が強すぎただけだろう。もともと控える競馬もできる馬だし、相手次第ではいつでも勝てるだけの能力を持っている。以下はやや能力的に差がありそうだが、3着のメイプルエイトは初の一線級相手としては悪くない内容だろう。一発大駆けのある父カコイーシーズ産駒だけに、大一番での一発に警戒したいところだ。その他のメンバーは現状南関東限定重賞でもあくまで入着級。今後の成長に期待したいところではある。