2005年の統一グレード競走重賞格付けが正式決定―笠松・高知が格付け返上ほか6減

 NAR地方競馬全国協会が3月15日付で公開したプレスリリースによると、ダート競走格付け委員会は、昨日(3月14日)、地方競馬全国協会において委員会を開催し、2005年のダート競走の格付け(確定)と2006年1月〜3月のダート競走の暫定格付けについて決定した。

 2005年のダートグレード競走は50競走が格付けになり、2004年の格付け競走数(56競走)と比べ6競走減となっている。新設重賞はない。【NAR地方競馬全国協会

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 統一グレードの昇格は、かしわ記念[05/05|船橋・ダ1600m]が統一GIIから統一GIへ昇格した1件のみ。同競走は船橋競馬場で施行される初の統一GI重賞となる。同レースの過去4年分のレース・レーティング(R.R.)は105.25(2004年)、105.00(2003年)、106.25(2002年)、106.25(2001年)。昨年のR.R.だけで比較すると、古馬の統一GI重賞としては川崎記念(統一GI)と並んで最低水準(他は概ね109以上)。

 これで統一GI重賞は川崎記念(統一GI)、フェブラリーS(GI)、帝王賞(統一GI)、ジャパンダートダービー(統一GI)、ダービーグランプリ(統一GI)、マイルチャンピオンシップ南部杯(統一GI)、JBCクラシック(統一GI)、JBCスプリント(統一GI)、ジャパンCダート(GI)、全日本2歳優駿(統一GI)、東京大賞典(統一GI)と合わせて、合計で12競走となった。単純に考えると、毎月1回はダートグレード・ワン競走がどこかで施行される計算になる。JRA・GI重賞と合わせたJPN・GI重賞の総数は33競走。

 また、既報通り2005年の第5回JBC競走は、11月3日に名古屋競馬場で開催される。ただし、レース条件についてJBCクラシック(統一GI)が1900m、JBCスプリント(統一GI)が1400m、それぞれ12頭立てという今年限りの変更点がある。

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 他方で、昨年まで施行されていた統一グレード重賞のうち、群馬記念(統一GIII)[3歳以上:高崎・ダ1500m]、とちぎマロニエC(統一GIII)[3歳以上宇都宮・ダ1400m]が主催者に廃止に伴って消滅し、黒船賞(統一GIII)[4歳以上:高知・ダ1400m]については主催者から格付け申請がなかったため統一グレードを外された。

 また、名古屋優駿(統一GII)[3歳:名古屋・ダ1900m]、サラブレッドチャレンジカップ(統一GIII)[3歳:金沢・ダ2000m]、オグリキャップ記念(統一GII)[4歳以上:笠松・ダ2500m]、全日本サラブレッドC(統一GIII)[笠松・ダ1400m]については、いったんは主催者から格付け申請があったものの、後に申請が取り下げられたため統一グレードを外された。名古屋優駿(統一GII)については、名古屋競馬場での施行される今年のJBC競走の財源を確保するために今年に限って休止するもの。名古屋優駿(GII)を除く3レースについては、今後は東海・北陸地区の交流重賞競走として施行される見通し。

 特に、公営笠松競馬と公営高知競馬は交流・統一グレード重賞の施行をすべて取りやめたことになるが、これは両競馬場とも存廃問題の渦中にあって暫定的存続状態にあることから、賞金予算の削減がいっそう進み、統一グレード重賞として相応の賞金水準を維持できなくなったことが要因と見られる。もしくは、賞金水準に見合った馬券売上が見込めないとの経営判断から、緊縮予算に傾かざるを得なくなったものと察せられる。他の競馬場についても事情は似たようなものであろう。

 競馬場の廃止や施行条件変更(たとえば、JBC競走新設に伴う東海菊花賞(統一GII)の格付け返上、名古屋グランプリ(統一GII)の新規格付け)以外の理由で統一グレード格付けが返上されたのは、極めて異例。