吉田照哉・社台ファーム代表、コラム「クラシック出走権、中央・地方所属馬を公平に」を掲載

【社台グループ「Thoroughbred」】 吉田照哉社台ファーム代表が、コスモバルクのJRA3歳クラシック路線挑戦を素材に、クラシック出走における地方所属馬の出走権問題についての現状を批判しています。

 (皐月賞のレース前であることを前提に)コスモバルク皐月賞(GI)で5着以下に敗れるなどして日本ダービー(GI)出走権を確保できなかった場合を仮定し、その場合、トライアルに再度出走しなければならず、よしんば出走権が確保できたとしても輸送による疲労蓄積などで大きな不利を被ると指摘。「JRAも最近はかなり柔軟な姿勢と理解を示してくれるようになり、その結果、地方所属馬にクラシックの門戸が開放されたことには「社台」や「コスモ」の枠組を越えて感謝したい」としつつ、「まだそのシステムが公平とは言いきれない」として、「せめて収得賞金順においては中央所属馬と同一な立場で並べてほしい」としています。

 記者も、この件に関する吉田照哉氏の見解には全面的に賛成です。地方・中央所属に関係なく、重賞競走の出走権に関してはJRAにおける収得賞金及び公認グレード競走(統一重賞)の収得賞金によって出走権を与えるべきでしょう。こうすると、「仕上がりの早さだけで北海道シリーズで活躍した地方馬が出走枠を使うのは問題」とか、「統一重賞で勝ち負けした地方馬が芝適性もないのに出走枠を使うのはどうか」という批判はあり得るでしょう。しかし、いずれの批判についてもJRA所属馬にも同じことが当てはまる(今年の兵庫チャンピオンシップ(統一GII)勝ち馬メイショウムネノリ日本ダービー出走を目指すことについて、幾ばくかの話題を呼んだことは記憶に新しいところです)わけですから、地方所属馬を分けて考える必要はないと思われます。「自由競争・門戸開放・ファンのニーズ」を旗印に外国産馬への開放を推進してきたJRA及びJRAの馬主会の方々が、同じ理屈を地方所属馬に適用することに、よもや反対するわけはないですよね。