吉田照哉・社台ファーム代表、コラム「求められるもう一つの意識改革」を掲載

 【社台グループ「Thoroughbred」】 吉田照哉社台ファーム代表が、中央競馬の6年連続の減収の要因について、「あるいはこれも遠因のひとつになっているのではないかと、気になっていること」として、最近の騎手、とりわけ中央所属の騎手の言動に苦言を呈しています。

 「レース後のインタビューで人を食ったようなコメントをしたり、ファンを招いたイベントなどでは芸能人と見紛うような態度をとる騎手がいて、しばしば唖然とさせられます」、「度を越えたパフォーマンスとファンサービス、ごく一部とはいえ、それをはき違えている騎手がいることも残念ながら事実のようです」、と最近の一部の騎手の、騎手としてのプロ意識の欠如を批判。レースで騎乗する騎手は、生産牧場や馬主、そしてクラブの会員など、すべての関係者、そしてファンに、夢を重ね、お金を託されていること、それには騎手への信頼こそが大前提であるとして、その信頼を裏切るような浮ついた言動に苦言を呈しています。

 さらに、野平祐二元騎手の新鮮な言動、岡部幸雄騎手の冷静な言動が競馬のイメージアップに貢献してきたことを引き合いに出し、「貢献の方法は断じてうわべだけのパフォーマンスではない」と指摘。

 最後に、騎手は「ファンの前に出れば半ば公人であり、自覚に基づいた行動に徹するのが最低限の礼儀」であり、「いまの恵まれた境遇を根底で支えているものとはなにか、ぜひとも一人一人の騎手が胸に手をあてていまいちど考えてもらいたいものです。」とまとめています。

 今回の吉田照哉氏の指摘には、ほとんどのファンが、(それに対する賛否はともかく)大いに心当たりがあると思われます。レース後の騎手のコメントについては、あるいは聞き手に問題があることもままあるかと思われますが、今後に向けての参考として、真剣に聞いているファンもいるのだということを忘れないで欲しいですね。また、「こんな騎手の馬券を買っていたのか」と、馬券を買った自分が馬鹿らしくなるような経験をした人も結構いるのではないでしょうか。騎手は関係者の中で最もファンに近いところで見られているということを忘れないで欲しいものです。吉田照哉氏には、心当たりのある騎手に、直接言ってやってほしいくらいです。

 そういえば、記者は先日、競馬場で吉田照哉氏に直接お話をさせて頂く僥倖に恵まれました。なにぶん突然のことで、自分からお呼び止めしながら、緊張して何を話したのやらという感じでしたが、「日本の競馬をよろしくお願いします」と勝手にお願いしてきました。今にして思えば、すごく恥ずかしい&失礼なことをしたような気がしますけど・・・。