山形県上山市、3施設を賃貸して場外馬券発売を継続

 【山形新聞】 山形県上山市は2月18日、同市が所有する上山競馬場、松山、飯舘(福島県)の3つの発売施設を専用場外発売所として賃貸し、来年度以降も他場の馬券の場外発売を継続する計画を明らかにした。この日開かれた市議会の上山競馬特別委員会で報告したもの。

 上山市によると、約40億円の負債軽減を目的に場外発売を続けるが、競馬法により競馬を主催していなければ場外発売ができないとされているため、他場の主催者に賃貸するの形式をとることにしたという。大井、浦和、船橋、川崎の南関東4場と、岩手競馬の馬券を発売する計画。多い競馬を主催する特別区競馬組合、岩手県競馬組合とはまだ契約に至っていないが、今年4月からの発売を目指して協議を進めているとのこと。

 市が示した場外発売計画によると、市が施設の維持・管理を行い、上山競馬振興公社が主催者から場外発売の委託を受けて運営する。施設の維持・管理には場外施設貸付料として売上金の4%が市に、場外発売所の運営は業務協力費として同10%が同公社にそれぞれ主催者から支払われ、さらに地元交付金として本場売上金の1%が市一般会計に入る。南関東4場と岩手を合わせた来年度の売上金は66億6500万と見込まれている。施設の維持・管理は市施設貸付事業特別会計で処理し、この中で、約8億円の飯舘場外建設の起債償還などに充て、かみのやま競馬の負債軽減を図る計画。

 記事によれば、「上山競馬振興公社への運営委託は必要ない。同公社は解散して運営は主催者に任せ、場外施設貸付料を増やしてもらうなどし、もっと負債削減に回すべきだ」などとのたまった議員もいた模様。岩手はともかく、南関東はそこまで無理に場外発売を広げる必要性がない状況なのだが、当事者の間で随分と現状認識に齟齬があるようだ。