[福山]第32回福山ダービー|優勝:チュウオーバロン|父:スマノヒット|生産:静内町・漆原信一牧場

 6月12日に行われた福山競馬の3歳最高峰、福山ダービーは、単勝最低人気の伏兵チュウオーバロンが、後方待機から勝負所で進出し、直線大外一気の末脚を繰り出して豪快に差し切った。勝ちタイムは2:03:6。鞍上の周藤直樹騎手は、デビュー4年目の嬉しい重賞初制覇が、大一番での大金星。単勝6,310円、三連単は551,890円の大波乱となった。

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 レースは、キングカップの勝ち馬で断然の一番人気に推されたユノフォーティーンがスピードの違いでハナを切り、キングカップ5着馬でここへ来て条件戦を2連勝と好調のデラホーヤクイーンカップの勝ち馬で昨年の全日本2歳アラブ優駿3着の3歳最強牝馬ピアドロイがこれをマークしていく展開となる。

 直線を向いてもユノフォーティーンの脚色は衰えず、後続の追撃を振り切ったかに見えたが、道中後方で脚を矯めていた伏兵チュウオーバロンが大外を豪快に突き抜けて優勝した。

 ユノフォーティーンは1 1/2馬身差の2着。2番手から流れ込んだデラホーヤがさらに1/2馬身差の3着。

 以下、ピアドロイが4着に入り、クイーンカップ2着のヒミツノボタンが後方追走から追い上げて5着。昨年のヤングチャンピオン5着馬ムサシボウダイヤは、道中最後方を追走し、直線差を詰めたものの6着まで。キングカップを2着に敗れた後条件戦を2連勝し、打倒ユノフォーティーンが期待されたクロマルジョージは、好位追走も直線伸びず7着。キングカップ3着のパスカリランナーは、中団追走も勝負所で手応えが怪しくなり、8着に終わった。

 勝ったチュウオーバロンは、父がサンバコール、フジナミスペシャル、ホマレエリートなど活躍馬を多数輩出している名種牡馬スマノヒット、母がリキステンプー(母父トライバルセンプー)という血統構成。北海道・静内町の漆原信一氏の生産で、馬主は松本忠正氏。昨年の6月に福山でデビューし、3戦目で初勝利。その後は条件戦を堅実に走り、2歳時は10戦2勝。今季は初戦の条件戦を勝って幸先のいいスタートを切ったものの、その後はワンパンチ足りないレースが続き、キングカップではユノフォーティーンから1.1秒差の4着に終わっていた。今回は主戦の嬉勝則騎手がピアドロイに騎乗することもあって若手の周藤騎手に乗り替わり。そのせいもあってか全くのノーマークだったが、見事な変わり身を見せた。