[札幌]第5回エトワール賞〔H3〕|優勝:シルバーサーベル|父:アフリート|生産:三石町・乾皆雄牧場

 5月19日に札幌競馬場で行われた短距離重賞、エトワール賞は、単勝4番人気のシルバーサーベル(牡9歳)[五十嵐冬樹騎手、原孝明厩舎(北海道)]が、中団追走から4角で早くも先頭に立ち、そのまま押し切って優勝した。勝ちタイムは1:01:1。勝ったシルバーサーベルは、これでエトワール賞を三連覇の快挙を達成した。

 【Keiba.co.jp地方競馬総合サイト】 [HBC杯・プリサイスエンド賞:札幌・ダート1000m:別定・雨・やや重]

 今期JRA1000万下から転入し、2戦して2着2回と好調の父ラムタラ産駒カサロスは、一番人気に推され後方追走から良く追い込んだものの、3/4馬身差の2着まで。3着に浦和からの転入2戦目でブービー人気の伏兵ヒカリボラゾンが入り、三連単は17,090円の好配当となった。

 以下、昨年、北斗盃王冠賞の二冠を制した父シャンハイ産駒のシャンハイジャンプは、中団追走も直線伸びず4着。3歳牝馬ながら果敢に挑戦してきた北斗盃2着の父ブラックタイアフェアー産駒クラキングレディは、2番手追走も勝負所で一杯となり5着に終わった。

 勝ったシルバーサーベルは、父が人気種牡馬アフリート、母がサマーレッド(母父マルゼンスキー)で、近親に1995年の中山大障害を制したダイカツストームがいるという血統構成。1997年のデイリー杯3歳S(GII)2着のサラトガビューティらを輩出している、北海道・三石町の乾皆雄氏の生産で、馬主は橘文明氏。旧3歳の6月にJRAの中村好夫厩舎(栗東)からデビューし、2戦目で初勝利。旧3歳時はプラタナス賞をレコード勝ちしたほか、京王杯3歳S(GII)3着、全日本3歳優駿(統一GII)2着と活躍。旧4歳時も、ヒヤシンスS3着、菖蒲S3着、グランシャリオカップ(統一GIII)3着とまずまずの走りを見せたが、夏を境に完全にスランプに陥り、翌年夏のルビーSで激走を見せ久々の勝利を挙げたものの、その後再び頭打ち状態となり、谷潔厩舎(栗東)→飯田雄三厩舎(栗東)を経由して6歳の秋にホッカイドウ競馬の原孝明厩舎に移籍。ホッカイドウ競馬に移籍後は、転入緒戦を快勝し、続くエトワール賞で重賞初制覇を達成。その後もホッカイドウ競馬の短距離路線で堅実な活躍を見せ、8歳となった昨年はエトワール賞の連覇を達成。9歳となった今期は、緒戦の条件特別を一叩きしてここに臨んでいた。

 勝ったシルバーサーベルは、これで同一重賞三連覇。9歳となった今期も能力面での衰えはなく、今年もホッカイドウ競馬の短距離路線で上位を賑わせていきそうだ。ただ、裏を返せばホッカイドウ競馬の短距離路線で新戦力が育っていないということにもなり、4歳のシャンハイジャンプを筆頭に、今後新勢力の成長に期待したいところである。