[浦和]第9回さきたま杯(統一GIII)|優勝:ニホンピロサート|父:スターオブコジーン|生産:浦河町・橋爪松夫牧場

 5月18日に浦和競馬場で行われた短距離重賞さきたま杯(統一GIII)は、単勝一番人気に推されたニホンピロサート(牡7歳)[小牧太騎手、目野哲也厩舎(栗東)]が、中団追走から勝負所で一気に進出し、直線粘る先行馬をキッチリ捉えて優勝した。勝ちタイムは1:25:5。

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 好発から内枠を利してハナを切った東京シティ盃勝ち馬ブルーローレンスが、ゴール前までしぶとく粘ってクビ差の2着。2001年の南関東クラシック四冠馬ながら、近走不振で人気を落としていたトーシンブリザードが、中団追走から直線しぶとく伸びて3着に入り、三連単は47,510円の好配当となった。

 以下、2001年のフェブラリーS(GI)を制した古豪ノボトゥルーは、例によっての後方待機策も、今回は末脚不発で4着まで。覆いの金盃を制して以来の休み明けとなった昨年のこのレース5着の父ナグルスキー産駒ブラウンシャトレーは、後方から徐々に追い上げての5着。前走、地元のかきつばた記念(統一GIII)を制して勇躍遠征してきた父トーヨーリファール産駒ヨシノイチバンボシは、中団追走も馬群に揉まれてしまい7着。2003年のこのレース2着のディバインシルバーは、ハナを切れず先団からの競馬となるも、勝負所で早くも一杯となり9着。昨年の秋に行われたこのレースを制している川崎のロッキーアピールは、ハナを切れず好位からの競馬となり、勝負所で一杯の10着に沈んだ。

 勝ったニホンピロサートは、父が現役時代1993年のアーリントンミリオン(米GI)、マンノウォーS(米GI)を制し、同年のジャパンカップ(国際GI)にも来日(5着)したスターオブコジーン、母がニホンピロポリーナ(母父ニホンピロウイナー)で、近親に1994年のCBC賞(GII)などを勝ったニホンピロプリンス、1999年の南部杯(統一GI)を勝ったニホンピロジュピタなどがいるという、「ニホンピロ」の冠号でお馴染みの小林百太郎氏所縁の血統。北海道・浦河町の橋爪松夫氏の生産で、馬主は小林百太郎氏。3歳2月の阪神開催でデビューし、折り返しの新馬で初勝利。3歳時は条件戦を着実に勝ち上がり、暮れに準OPの元町Sを勝ってオープン入り。その後5歳時にガーネットS(GIII)を勝って重賞初制覇し、6歳となった昨年はプロキオンS(GIII)、サマーチャンピオン(統一GIII)と重賞を連勝。7歳となった今期は、休み明けのコーラルS(OP)を一叩きしてここに臨んでいた。

 ニホンピロサートは、休み明けを一叩きされたものの、正直一変まではどうかというデキに見えたが、ここでは能力が一枚上ということだったようだ。昨年のこのレースでは4着に敗れたものの、これは大きく出遅れる不利が響いてのものだったし、本質的には浦和コースも問題なかった。もともと夏場に調子を上げるタイプだけに、この夏も活躍が期待できそうに思う。

 2着のブルーローレンスは、得意の浦和コースで最内枠を引き、単騎の逃げを打っての粘り込みとなった。今回は正直恵まれた印象があるが、それでもスピードはここでも通用するメドは立ったし、一応今後に向けての収穫はあったように思う。

 3着のトーシンブリザードは、全盛期と比べるのは可哀相というものだが、それでも今回は最近の中ではかなり良い部類のデキに映った。今ではこのくらいの距離が向くように思うし、現状での力は出してのものだろう。

 以下、ノボトゥルーは、2003年のこのレースを制しているように、必ずしも浦和コースが苦手ということではないのだろうが、やはり脚質的にある程度展開に左右されるのは仕方ない。今回は単に嵌まらなかっただけのことだろう。ブラウンシャトレーは、休み明けとしては上々の内容で、やはりGIIIクラスなら十分通用する力がある。今後叩かれての変わり身に期待したい。ヨシノイチバンボシは、揉まれてしまう展開が厳しかったこともあるが、それ以前に輸送の影響か前走の反動か、正直デキが一息に映ったし、行きっぷりが悪かったのはそのせいもあるだろう。ロッキーアピールは行ききれなかった時点でダメ。必ずしもハナにこだわるタイプではないが、気性的に難しい面があり、今日は気分良く走らせられなかった。今後もアテにはならないだろうが、今回の結果は度外視だろう。