[川崎]第8回クラウンカップ(南関東G3)|優勝:ブラウンコマンダー|父:コマンダーインチーフ|生産:新冠町・北星村田牧場

 5月3日に川崎競馬場で行われた、東京ダービーのトライアルのクラウンカップは、単勝4番人気のブラウンコマンダー(牡3歳)[張田京騎手、岡林光浩厩舎(船橋)]が、後方追走から勝負所で進出し、直線抜け出して優勝した。勝ちタイムは2:09:8。

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 しらさぎ賞3着の父シャンハイ産駒ブレットトレインが、9番人気の低評価ながら中団から鋭く伸びてクビ差の2着。3着にも5番人気のエフケータイガーが入り、一番人気に推された昨年の平和賞2着馬ワタリファイターは、好位追走も直線伸びを欠いて4着。三連単は322,040円の波乱となった。

 以下、父オースミメダリスト産駒の伏兵ブルーマルゼンが、早目2番手から粘りこんで5着。ニューイヤーカップ2着のジルハーは、後方追走から差を詰めただけの7着。デビューから3連勝で2番人気に推されたキンセイブレイドは、ハナを切ったものの勝負所で一杯となり、9着に沈んだ。

 勝ったブラウンコマンダーは、父がコマンダーインチーフ、母がツジノヒマワリ(母父トニービン)という血統構成。1997年の阪神3歳牝馬S(GI)を制してJRA最優秀3歳牝馬に輝いたアインブライドや、1993年のフェブラリーH(GIII)を制してJRA最優秀ダート馬に輝いたメイショウホムラなどを輩出している北海道・新冠町の北星村田牧場の生産で、馬主は2000年のサラブレッドチャレンジカップ(統一GIII)や今年の大井・金盃を制しているブラウンシャトレーなどを所有している小島史代氏。昨年の7月に船橋でデビューし、今年の2月に5戦目で初勝利。続く船橋の特別戦も連勝したが、大井に転じた前走の特別戦では3着に敗れていた。

 ブラウンコマンダーは、後方追走からの一気の捲りで制してなかなかの勝ちっぷり。とはいえ、クビ差2着がしらさぎ賞ナイトスクールに完敗しているブレットトレインとなると、現状では一線級相手では力不足という印象。ここへ来て急激に力をつけてきている印象はあるし、血統的には筋が通っているので、この後どこまで成長していけるかということだろう。

 ここまで重賞で勝ちきれていなかったワタリファイターが押し出されての人気になったように、2着以下の面々は、いかにも重賞ではパンチ不足という印象。あくまで今後の成長次第で夏以降どこまでといったところだろう。なかでは、今回は失速したもののスピードは見せたキンセイブレイドがどこまで巻き返してこれるかではないだろうか。(文責:ぺ)