[中央]第65回皐月賞(GI)|優勝:ディープインパクト|父:サンデーサイレンス|生産:早来町・ノーザンファーム

 4月17日に中山競馬場で行われた今年のJRA牡馬クラシック第一弾皐月賞(GI)は、単勝1.3倍と圧倒的一番人気に推されたディープインパクト(牡3歳)[武豊騎手、池江泰郎厩舎(栗東)]が、後方追走から勝負所で進出し、直線抜け出して優勝した。勝ちタイムは1:59.2。

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 レースは、アーリントンカップ(GIII)勝ち馬ビッグプラネットが逃げる展開。ディープインパクトはスタートで躓いて最後方からの競馬。レースの前半1000mは59.6秒の淀みない流れとなったものの、向正面からはペースが落ち着き、勝負所で中団の外につけていた昨年の朝日杯フューチュリティS(GI)勝ち馬マイネルレコルトが仕掛けると、それに続いてディープインパクトも進出。ディープインパクトは4角で大外に持ち出すと、直線でそのまま抜け出して優勝した。2着は道中後方待機から直線だけの競馬に賭けた12番人気の伏兵シックスセンス、好位追走から直線内をすくって脚を伸ばした京成杯(GIII)勝ち馬アドマイヤジャパンが3着。勝負所で動いたマイネルレコルトは、直線の決めて勝負で見劣り4着に終わった。

 勝ったディープインパクトは、父サンデーサイレンス、母ウインドインハーヘア(母父Alzao)という血統構成。北海道・早来町ノーザンファームの生産で、馬主は金子真人氏。昨年12月の阪神開催でデビューし、以来無敗の4連勝で皐月賞を制した。

 ディープインパクトは、戦前色々言われていたものの、そんな外野の声をすべて捩じ伏せる完勝といったところか。確かに、全体として速めの流れだったものの、向正面でペースが落ち着いたことで追走が楽になり、スタートの不利を楽に取り戻せた面はあったし、結果として得意の瞬発力勝負になっただけに、恵まれた面が全くなかったとはいえないだろう。とはいえ、皐月賞のレース内容をみる限り、いまさらこの馬に正面切って喧嘩を売るような肝の据わった騎手がそうそういるとも思えず、トラブルでもない限り二冠達成は相当濃厚といえそうだ。

 シックスセンスは死んだ振りからの直線勝負が功を奏した感。ただ、このレース運びでは絶対にディープインパクトを負かすことはできないし、展開次第で着順が変わってしまうことは確か。収穫はそれなりにある一戦ではあったが、ダービー以降に向けて大きく展望が開けたといえるかとなるとどうだろう。

 アドマイヤマックスは、外枠を引いたにも関わらず鞍上の横山典弘騎手が絶妙のコース取りで好位の内に入れ、弥生賞同様の完璧なレース運びを見せた。しかもディープインパクトがスムーズさを欠く内容だったことを合わせれば、現状では相当な能力差があると思え、ダービーでの即巻き返しというのは難しそうだ。

 マイネルレコルトは、戦前から期待されていた通りの早めに仕掛ける強気な競馬は見せてくれただけに、この結果でも仕方がないといったところか。とはいえ、理想を言うなら自分から動いていく形ではなく、速いペースで引っ張ってくれるのを流れに乗って抜け出すのがベストのタイプ。それだけにやはり朝日杯フューチュリティSで理想的な流れを作ってくれたストーミーカフェのリタイヤが痛かったように思う。それから、折角の内枠を引いたのに結果的に外を回る形となったのももったいなかったか。この点は騎手からの説明がないだけになんとも分からないが、好意的に理解するならスタート後に外枠の馬が内に切れ込んできたことで前にいけなくなってしまい、包まれることを嫌って早めに外に出したということであろうか。内枠を利してそのまま内目を先行できていたら結果も多少違ったかもしれない。