[中央]第7回中山グランドジャンプ(JGI)|優勝:カラジ|父:カヤージ|生産:愛国・Aga Khan's Studs

 4月16日に中山競馬場で行われた、年に一度の国際招待障害GIの中山グランドジャンプ(JGI)は、単勝一番人気に推されたカラジ(セ10歳)[ブレッド・スコット騎手、E・マスグローヴ厩舎(豪州)]が、道中終始好位の内を追走し、最後の直線で先頭に立つと、後続の追い上げをしぶとく差し返して優勝した。勝ちタイムは4:50.4。

 【JRA日本中央競馬会】 [国際招待・障害・4歳以上:中山・芝4250m:定量・曇・良]

  道中中団を追走し、ゴール前外から猛然と追い込んだ春麗ジャンプS勝ち馬のチアズシャイニングが、1 1/4馬身差の2着。10番人気の伏兵ローレルロイスが、さらに1/2馬身差の3着。

 以下、春麗ジャンプS2着のフサイチジハードが、後方追走から直線差を詰めて5着。フランスから遠征してきたスファンクスデュベルレは、中団追走から2周目で好位に上がり、4角ではあわやのシーンを見せたものの、最後は決め手を欠いて6着まで。2002年の中山大障害(JGI)勝ち馬で、一昨年のこのレース2着のギルデッドエージは、好位追走も2周目に入ってからは後退して8着。差のない2番人気に推されたロードプリヴぇイルは、中団追走もこれといった見せ場もなく9着。淀ジャンプS勝ち馬で阪神スプリングジャンプ(JGII)3着のフレノキャプテンは、後方追走のまま見せ場なく10着。ニュージーランドからの遠征馬で、3番人気に推されたペガサスジャンプS2着のフォンテラは、積極的に先行したものの、大竹柵障害で落馬。残念ながら競走中止となってしまった。

 勝ったカラジは、父が輸入種牡馬イルドブルボン(1999年にアイルランドへ輸出)の英国供用時の産駒で、現役時代に1988年の英、愛・ダービーを制し、種牡馬としては1997年の仏・オークス(仏GI)勝ち馬Vereva、1998年の仏・オークス勝ち馬Zaintaなどを輩出しているKahyasi、母がプリンセスロイヤルS(英GIII)勝ち馬のKaramita(母父Shantung)という血統構成。半姉に1991年のガネー賞(仏GI)勝ち馬Kartajana、近親に仏・オークス勝ち馬Kartajana、1987年のリディアテシオ賞(伊GI)勝ち馬Khariydaなどがいる、Aga Khan殿下ゆかりの血統。アイルランドのAga Khan's Studsの生産で、馬主はP・モーガン氏。平地・障害通算73戦13勝の成績を挙げて来日。初戦のペガサスジャンプS(OP)で3着とまずまずのレースを見せ、ここに臨んでいた。

 カラジは、一叩きされてキッチリと良化。前走のペガサスジャンプSでも巧みな飛越を見せていたし、距離延長で見事に変わり身を見せた。それに加えて、鞍上のスコット騎手の手腕も見事。終始好位の内で脚を矯める完璧の位置取りだったし、最後は風車ムチで食い下がる後続を気合で押し切ってしまった。中山の大障害コースを制するにふさわしい素晴らしいレースを見せた人馬を称えたい。

 チアズシャイニングは、得意の中山コースに変わって順当な変わり身。最後は良く伸びてきているだけに、結果として脚を余した印象もないではない。終いを生かしたほうがいいタイプだけに仕方がない面もあるが、相手関係的にここは千載一遇のチャンスだっただけに、惜しいレースとなってしまった。

 落馬したフォンテラは、ペガサスジャンプSでも抑えきれないくらいのスピードを見せていたし、体型的にも本質的にハードル向きのタイプということだろう。その意味で大竹柵での落馬は致し方ないところか。