[浦和]第51回桜花賞(南関東G1)|優勝:ミライ|父:トーヨーリファール|生産:鵡川町・桑原牧場

 4月13日に浦和競馬場で行われた、南関東牝馬クラシック第一弾、桜花賞は、単勝10番人気の伏兵ミライ(牝3歳)[金子正彦騎手、安池成実厩舎(川崎)]が、スタートからハナを切り、まんまと逃げ切って優勝した。勝ちタイムは1:39:5。管理する安池成実調教師はこれが重賞初制覇で、女性調教師として始めての重賞勝ちとなった。なお、勝ったミライは関東オークス(統一GIII)の優先出走権を獲得した。

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 昨年のフローラルカップを勝った父マヤノトップガン産駒ヨウヨウは、桜花賞トライアルのユングフラウ賞を勝ってここは単勝1.7倍と断然の一番人気に推され、不良馬場を考慮して2番手追走の積極策をとったものの、結局勝ち馬の逃げを捉えきれず2馬身差の2着。3着には石崎駿騎手が騎乗した11番人気の父ハウスバスター産駒テンセイフジが追い込み、三連単は243,670円の波乱となった。

 以下、デビュー以来3戦2勝で、前走のユングフラウ賞でヨウヨウの2着に入っていたインフレッタは、2番人気に推されたものの好位追走から伸びきれずに4着。今年に入ってホッカイドウ競馬から南関東に移籍し、前走の桃花賞で2着した父ゼネラリスト産駒のアウスレーゼは、後方追走から直線差を詰めたものの6着まで。昨年、リリーカップ2着などホッカイドウ競馬で活躍し、今年南関東に移籍後もJRAの菜の花S(OP)で4着と健闘するなどの活躍を見せている父マイネルラヴ産駒ピースオブラヴは、後方追走から勝負所で追い上げたものの、直線の伸びを欠いて7着。昨年のローレル賞勝ち馬スコーピオンリジイは、先行したものの勝負所で一杯となり8着。前走桃花賞を勝ってここに臨んだ父メジロブライト産駒のクリストサファイアは、中団追走も勝負所で一杯となり最下位の11着に沈んだ。

 勝ったミライは、父が現役時代1993年のニュージーランドトロフィー4歳S(GII)など重賞を3勝し、種牡馬としても東海公営の重賞を2勝し、昨年の全日本サラブレッドカップ(統一GIII)2着、2003年の全日本2歳優駿(統一GI)3着などの活躍を見せているヨシノイチバンボシを輩出しているトーヨーリファール、母がナナセキダンサー、母の父がMill Reef直仔で1992年の関屋記念(GIII)3着馬オリンピアロンドなどを輩出したロイヤルコーチという血統構成。半姉に2002年のトゥインクルレディー賞2着、2001年のロジータ記念3着のカコ(父カコイーシーズ)がいる。1997年の全日本サラブレッドカップ(統一GIII)を制して同年のNARグランプリサラブレッド3歳最優秀馬に輝いたトミケンライデンや、1997年のセントライト記念(GII)勝ち馬シャコーテスコなどを輩出している北海道・鵡川町の桑原牧場の生産で、馬主は小笠原啓一氏。昨年7月に川崎でデビューし、デビュー2連勝。その後一息入れて、今季初戦の特別戦は6着に終わったものの、2戦目に今回と同じ浦和の1600mの特別戦を快勝。しかし、前走大井に転じたもくれん特別で11着と大敗し、ここはブービー人気と全くのノーマークだった。

 ミライは、今回は人気薄の気楽さに加えて完全な前残りの不良馬場を利しての逃げ切り勝ちと、正直いかにも恵まれたという感は否めない。血統的にも不良馬場はプラスだったように思う。それだけに、次走以降が試金石となることは確かだろう。ただ、地味ながら活躍馬は出ている血統だし、ダートでいかにもタフに活躍できそうな血統だけに、今後の頑張りを期待したいところだ。

 2着のヨウヨウは、正直今回は勝ち馬にうまくやられた印象。父マヤノトップガンという血統から、まだまだ成長していく馬だろうし、実際一戦毎にレース内容が良くなっている。次走の東京プリンセス賞での巻き返しはもちろんのこと、今後の活躍に期待したいところである。