[中央]第49回阪急杯(GIII)|優勝:キーンランドスワン|父:ディスタントビュー|生産:米国・Jim Ryan&Geraldine

 2月27日に行われた、高松宮記念(GI)の前哨戦の阪急杯(GIII)は、単勝7番人気の伏兵キーンランドスワン(牡6歳)[四位洋文騎手、森秀行厩舎(栗東)]が先行策からゴール前で抜け出して優勝した。勝ちタイムは1:08.5。2着に3番人気のカルストンライトオが入り、3着に5番人気のウインクリューガー単勝一番人気に推されたギャラントアローが7着に終わり、三連単は314,340円の波乱となった。

 【JRA日本中央競馬会】 [4歳以上・国際:阪神・芝1200m:別定・曇・良]

 昨年の香港スプリント(港GI)以来の休み明けでやや人気を落としていた昨年のスプリンターズS(GI)勝ち馬カルストンライトオは、好発からハナを切り、ゴール寸前まで逃げ粘ってアタマ差の2着。近走不振の2003年のNHKマイルカップ(GI)勝ち馬ウインクリューガーは、後方追走から直線外目を一気に追い込んで3着。

 以下、2番人気に推されたアドマイヤマックスは、後方追走から差を詰めたものの4着まで。昨年の橘S勝ち馬でファルコンS(GIII)2着のシルヴァーゼットが、2番手追走から直線粘りこんで5着。前走、シルクロードS(GIII)を2着してここは一番人気に推された2003年のスワンS(GII)勝ち馬ギャラントアローは、前走同様好位で控える競馬をしたものの、追ってからの伸びがなく7着。淀短距離S勝ち馬のスナークスズランは、スタートで出遅れて流れに乗れず10着。昨年のCBC賞(GII)2着馬ゴールデンロドリゴは、スタートで大きく出遅れて11着に終わった。

 勝ったキーンランドスワンは、父がMr. Prospector直仔のDistant View、母がTo Act(母父Roberto)という血統構成の米国産馬で、馬主は「エイシン」などの冠号でお馴染みの平井豊光氏。2歳11月の京都開催でデビューし、デビュー2連勝。3歳の秋に準OPの身で格上挑戦したアンドロメダSを制してオープン入り。4歳時に淀短距離Sを制したあと脚部不安で1年休養し、5歳となった昨年は淀短距離S6着を叩いて臨んだシルクロードS(GIII)で待望の重賞初制覇。さらに高松宮記念で3着に入り、秋は初戦のセントウルS(GIII)で2着に入りスプリンターズSでも6着とまずまずのレースを見せた。しかし、その後調子を崩し、ここ三走は15着、9着、15着に終わっていた。

 キーンランドスワンは、近走不振も使いつつ調子を上げていたようでようやくここで結果を出した。使い詰めだけに本番の高松宮記念に向けての上積みは期待しにくいが、昨年も3着と好走しているだけに、流れ次第ではそこそこの競馬ができそうだ。

 2着のカルストンライトオは、休み明け、59kgの斤量、大外枠ということを考えれば2着といってもGI馬の底力を見せた内容と言えそうだ。本番ではやはり展開面が鍵となりそうだが、高松宮記念でもそのスピードを存分に発揮してくれそうだ。

 3着のウインクリューガーは、ここは休み明けの一戦だったが、休養の効果で明らかにデキが上向いていた。1200mはやや忙しい気がしないでもないが、もともと3歳時にGIを勝っている素質馬だけに、今季は活躍が期待できそうだ。

 アドマイヤマックスは常に人気になるが、やはり詰めが甘い面があり、叩いての上積みを考慮してもGIでは過度の期待はどうだろうか。ギャラントアローは、前走で控える競馬ができたと入っても、その内容はやはり流れ込んだだけのもの。やはりある程度強気に行ってこその馬だろうし、ベストは平坦コース。平坦コースでスンナリ先行できれば巻き返しがあってもおかしくはなさそうだ。スナークスズラン、ゴールデンロドリゴは開幕週の高速馬場で出遅れた時点でレースが終わっていた。特にゴールデンロドリゴは中京コースを得意としているだけに、巻き返しに注意したいところだ。