[中央]第79回中山記念(GII)|優勝:バランスオブゲーム|父:フサイチコンコルド|生産:浦河町・ヤマダファーム

 2月27日に行われた伝統の重賞中山記念(GII)は、単勝4番人気のバランスオブゲーム(牡6歳)[田中勝春騎手、宗像義忠厩舎(美浦)]が、先行策から直線抜け出し、そのまま押し切って優勝した。勝ちタイムは1:46.5。

 【JRA日本中央競馬会】 [4歳以上・国際:中山・芝1800m:別定・晴・良]

 昨年の京阪杯(GIII)2着以来のレースとなった昨年のベンジャミンS勝ち馬カンパニーは後方追走から馬群を何とか捌いてゴール前猛追したものの、3/4馬身差及ばず2着まで。7番人気の伏兵アルビレオが好位追走からそのまま流れ込んで3着。単勝一番人気に推されたエアシェイディは、中団追走も直線の伸び案外で4着に終わった。

 以下、2003年の新潟2歳S(GIII)勝ち馬で昨年のNHKマイルカップ(GI)4着のダイワバンディットは、好発からハナを切り、途中から2番手に控える形も、そのまま流れ込んで5着。武豊騎手騎乗で3番人気に推された小倉大賞典(GIII)勝ち馬メイショウカイドウは、道中後方で折り合いに努めたものの、直線伸びきれずに7着。2002年の朝日杯フューチュリティS(GI)勝ち馬エイシンチャンプは、中団追走から直線伸びず11着。2000年の菊花賞(GI)2着で2003年の中山金杯(GIII)勝ち馬のトーホウシデンは、中団追走も直線失速して12着に終わった。

 勝ったバランスオブゲームは、父が1996年の日本ダービー(GI)勝ち馬で人気種牡馬フサイチコンコルド、母がホールオブフェーム(母父アレミロード)で、近親に1988年のマイルチャンピオンシップ(GI)勝ち馬で種牡馬としても活躍中のサッカーボーイがいるという血統構成。北海道・浦河町のヤマダファームの生産で、馬主は「ダービースタリオン」シリーズの製作者としてもおなじみの薗部博之氏。2歳夏の新潟開催でデビューし、2連勝で新潟2歳S(GIII)を制覇。3歳時はクラシック路線に乗り、弥生賞(GII)、セントライト記念(GII)を勝ったものの、皐月賞(GI)が8着、日本ダービーが7着、菊花賞が5着とGIには手が届かず。古馬になってからも堅実は活躍を見せ、2003年の毎日王冠(GII)を制したほか、2003年のマイルチャンピオンシップ(GI)4着、昨年の安田記念(GI)3着。昨秋は天皇賞・秋(GI)が9着、マイルチャンピオンシップが8着に終わり、ここはそれ以来のレースだった。

 バランスオブゲームはこれで重賞5勝目でGII4勝目。調教の不安が言われていたようだが、もともと鉄砲駆けの実戦タイプであることを考えればここはいかにも人気がなさ過ぎた感。GIIでこのメンバーが相手なら順当勝ちと言ったところだろう。年齢的に今後大きな上積みが期待できるわけでもないだけに、GIとなると恵まれないと厳しそうだが、今季も堅実な活躍が期待できそうだ。

 2着のカンパニーは、結果的に前走に続いて脚を余しての負け。以前はもう少し前付けしたレースもできていたわけで、融通の利いた乗り方ができるはずなのだが。今後も追い込みにこだわるようだとどうしても流れ次第となってしまいそうだが、まだ4歳で成長も期待できるだけに、そこに期待をかけたいところだ。

 人気のエアシェイディは、まだ重賞勝ちもないということを考えればやや人気になりすぎたか。現状の能力としてはこんなものだろう。メイショウカイドウは結果的に小倉で結果を残しているが、府中コースで準OPを強い勝ち方を見せているだけに平坦向きとも決め付けられないが、気性的にムラな面があるのは確かのようだ。