ライブドア、高崎競馬への経営参画を計画か

 プロ野球への新規参入を申請したことで話題となっているライブドアが、既報のように2004年一杯での廃止が予定されている、公営高崎競馬への経営参画を計画していることが判明したと報じられている。これは、競馬法の改正により2005年1月から馬券販売事務などの民間委託が可能になることを受けたもので、ライブドア堀江貴文社長が、11月10日、小寺弘之群馬県知事と会談し、高崎競馬廃止の撤回と、競馬開催事務を受託する新組織の共同設立を申し入れる予定だという。ライブドア側は、高崎競馬の再建が軌道に乗れば、他の地方競馬への経営参画も検討する方向のようだ。(10月27日付追記あり)(10月29日付追記あり)(10月30日付追記あり)(11月4日追記あり)(11月8日付追記あり)(11月12日付追記あり)(11月13日付追記あり)(11月26日付追記あり)

 先ごろの競馬法改正を受けた、地方競馬への民間企業の参画計画が浮上したのは初めてのこと。

 記事によれば、ライブドアは、競馬の主催はこれまで通り群馬県高崎市でつくる「群馬県競馬組合」とするが、ライブドア群馬県高崎市の共同出資で設立する新組織が群馬県競馬組合の委託を受け、馬券販売やレース中継などの事務を行うとしているという。馬券販売やレース中継には、ライブドアが得意とするインターネットの積極的な活用を視野に入れているようだ。出資比率については、ライブドアが過半を占めることで、群馬県高崎市の負担を軽減することになるという。懸念される「公正競馬」の担保については、主催を群馬県競馬組合とし、新組織が立案する企画について、同組合の承認を受ける仕組みとすることで担保できると考えている模様。

 ライブドア側は、首都圏に近く周辺人口の多い高崎競馬場の立地を高く評価し、ネットを通じた馬券販売やレース中継によってファン層が拡大できれば、広告収入の増加も併せ、黒字化が十分可能と判断しているという。

 高崎競馬は、1923年にスタートし、地方競馬で最も古い歴史を持つが、人気低迷で2003年度まで12年連続の赤字が続いており、累積赤字が50億円を突破。こうしたことを受け、小寺知事が9月28日、2004年一杯での廃止を表明していた。【産経新聞】

 ライブドアによる高崎競馬の経営参画の動きは、ことによると経営難で存廃の危機に瀕する地方競馬の建て直しに、画期的な効果を与えることになるかもしれません。今後、「公正競馬の担保」という建前の問題もさることながら、運営に関する関与の度合い、利益分配といった、ライブドア群馬県高崎市の実質的な関係がどうなるのか、インターネットを用いた馬券販売について、D-netのような既存の在宅投票システムとの関係はどうするのかなど、クリアすべき問題は少なくないでしょうが、現時点では農水省もNARもこのライブドアの動きを歓迎する意向のようですし、群馬県高崎市の側としても、高崎競馬廃止に伴って生じる膨大な後処理や、競馬関係者の雇用といった経済的影響を考えると、今回のライブドアの動きは歓迎すべきものといえるので、期待をもって今後の動向を見守りたいところですね。


 関連:ライブドア、地方競馬再生へ先鞭 初の民間参入 公正性など課題も(産経新聞)(以上10月26日付記事)


 (10月27日付追記)
 今回のライブドア高崎競馬経営参画の意向について、当の高崎競馬の関係者は当惑気味のようだ。小寺弘之群馬県知事は、この件についてさしあたりライブドアの考えを詳しく聞く意向(日本経済新聞)のようであるが、群馬県としては既に高崎競馬廃止の方向で動き出しており、方針の変更の可能性は低いというのが行政側の支配的な見解のようだ。一方、高崎競馬の調教師・騎手らの関係者の反応については、高崎競馬存続を訴えてきた調教師らの家族で構成される「サークル・ホース」の木村美代子代表が歓迎の意向を示す(東京新聞)一方、群馬県調騎会会長の渋谷武久調教師は、既に高崎競馬については廃止の方向で主催者側と再就職支援や補償問題の交渉に入っており、交渉に悪影響が生じないかを懸念している(日刊スポーツ)ようである。

 この問題についての競馬関係サイトの反応についてであるが、「高崎競馬を救ってくれるのなら救って欲しいけど……どこまで本気なのか現時点では分からない。」(PURE GOLD-競馬ニュース-10月26日)という反応に代表されるように、一応の歓迎を示しつつも、その実現可能性やライブドア側の真意について図りかねているというのが一般的のようだ。この問題についての分析としては、「お笑い競馬ライター」須田鷹雄氏が、「やる前提」でのシナリオを提示しつつ、「根回し無しに高崎競馬救済を謳う」ことへの疑念とライブドア本体の将来性についての懸念を示している(須田鷹雄の日常・非日常)。また、現実に黒字を目指すプランを想定した上で、その実行には既存の高崎競馬関係者にとっては、収入が落ちる厳しいプランとなること、現状での廃止ならば一定の補償が得られる一方で、ライブドアの計画が実行に移された後に破綻した場合のリスクが大きいことなどから、高崎競馬関係者の反対に一定の理解を示しつつ、農水省及びNARの賛同はこれまでの失敗の責任を逃れようとしているものに過ぎないのではないかとする厳しい指摘もなされている(負け馬@馬耳東風)


 (10月29日付追記)
 10月27日、高崎競馬の調教師ら競馬関係者が、小寺弘之群馬知事と会談。ライブドア高崎競馬への経営参加の可能性や、今後の補償問題などについて協議したと伝えられている。

 記事によると、小寺知事は、ライブドアの話を聞いてからという旨を述べたものの、事務方はライブドアの参入は困難と見ているようで、補償問題についての協議を進めて行きたい意向のようだ。

 この日の協議では、競馬関係者7団体の代表が、小寺知事に対して、補償交渉や再就職支援について誠実な対応を求める一方、ライブドアの経営参加計画についても議論が集中。関係者の家族でつくる「サークル・ホース」の木村美代子代表が、ライブドアとの話し合いに前向きに応じることなどを求める要望書を提出し、廃止決定が覆る可能性について群馬県の見解を質したが、これに対し群馬県側は、廃止の方針は不変という見解を示唆したという。【毎日新聞群馬版】


 (10月30日付追記)
 10月28日、高崎競馬存続を希望する、調教師など高崎競馬関係者の有志が、群馬県境町の境町トレーニングセンターで、調教師や騎手など他の高崎競馬関係者に対し、ライブドア高崎競馬経営参画計画に理解を求めるための説明会を行ったと報じられている。

 記事によれば、この説明会を主催した有志は、9月28日に高崎競馬の廃止が表明されて以降、高崎競馬の存続に向けてライブドアに経営参入を求めて交渉を行っていたとのことで、説明会では交渉中に判明したライブドアの計画の一部が明らかにされたという。

 それによると、ライブドア側は、赤字を含む開催経費をすべて負担し、高崎競馬の主催者である群馬県高崎市に経営リスクを負わせない方針を示しているという。

 説明会では、このライブドアの計画を支援する声がある一方、雇用や補償をめぐる行政側との交渉に影響が出ることを懸念する声もあり、当面、ライブドアの経営参画計画はあくまでも選択肢の一つとし、補償交渉と同時進行で行っていくこととしたようだ。

 また、11月10日に行われる、小寺弘之群馬県知事とライブドア堀江貴文社長との会談に向けて、ライブドアの計画に賛同する有志で支援する会を発足させることが決められたと伝えられている。

 一方、群馬県競馬組合は、高崎競馬関係者に対し、11月5日以降の高崎競馬への転入馬の入厩を停止すること、2005年1月以降に北関東以外の地方競馬レースへの出走を希望する馬については境町トレーニングセンターの使用停止期限までは手続きを受け付けること、などを通知したと伝えられており、行政側は高崎競馬の廃止に向けて粛々と手続を進めていく考えのようだ。【東京新聞群馬版】【毎日新聞群馬版】

 というわけで、ライブドア高崎競馬に対する経営参画計画は、何もないところから突然浮上したわけではなく、高崎競馬関係者有志の働きかけから浮上したものであるようです。今後の当面の課題としては、高崎競馬関係者が一体となって存続に向けて動くのか、それとも補償を手にして辞めていくものとリスクを承知で存続に賭ける者との篩い分けを行うのか、ということになりそうですね。特に後者の場合、補償なしのリスクを承知で存続に賭ける関係者がどれだけ現れるのか、ライブドア側も行政だけでなく競馬関係者のリスクもある程度軽減してくれるような計画を示してくれるといいのですが、それは虫が良すぎる話でしょうか・・・。


 (11月4日付追記)
 10月29日、高崎競馬が廃止された場合の競馬関係者の雇用対策を協議する、「高崎競馬雇用対策連絡会議」の初会合が、群馬県庁で開催されたと報じられている。

 同会議は、群馬県高崎市群馬県競馬組合などの関係団体と、群馬労働局などで構成。この日の初会合では、高崎競馬が廃止された場合に職を失う人の数などが報告され、現状と就職支援の進め方などが確認されたという。

 高崎競馬が廃止された場合に職を失う関係者は、調教師が35人、騎手が17人、厩務員が117人、装蹄師が10人、獣医師が4人、臨時従事員が162人の計345人と見積もられ、全体の15%が60歳以上だという。群馬県は、既に10月26日から調教師、騎手、厩務員の3職種について今後についての意向調査を始めているほか、11月1日からは群馬県競馬組合内に、就職に関する相談室を設置して再就職の相談に応じるという。【毎日新聞群馬版】

 また、 11月1日には群馬県競馬組合の臨時議会群馬県庁で開かれ、高崎競馬の開催を年内までとする補正予算案が全会一致で可決されたと報じられている。

 補正予算によると、2004年度の開催を年内で終えることに伴い、競馬開催日数が17日少なくなるため、開催費など約14億5500万円を減額し、総額は約124億9000万円とした。今後、群馬県競馬組合を構成する群馬県高崎市の各議会で、同組合を解散する議案が承認されれば、高崎競馬は正式に廃止となる見通しだ。

 議会では、一連のライブドアの参入計画について、同社が赤字の場合を含む開催経費を全額負担し、県にリスクを負わせないと考えていることから、リスクがなく、可能性があるなら存続を考慮すべきなのではという意見もあったようだが、改正競馬法は、あくまでも経営の主体性は(リスクを含めて)主催者に帰属するとしており、廃止決定は競馬法改正も踏まえてのものとして廃止の方針に変わりはないことが示されたようだ。【東京新聞群馬版】

 このように、高崎競馬廃止に向けての手続きは着々と進んでおり、11月10日に予定されているというライブドア堀江貴文社長と小寺弘之群馬県知事との会談を前に、もはや高崎競馬の廃止は避けられないという見通しが相当強まっているようです。これらの一連の動きは、決まった以上波風を立てずに粛々と廃止を進めたい事務方の意向を強く反映しているようにも見受けられ、もともと可能であれば存続したいと考えていたはずの小寺知事の気持ちを強く揺さぶるようなウルトラCがあれば、まだ逆転の可能性もないわけではないと思うのですが・・・。すべては11月10日の会談までに具体的かつ魅力的な計画を生み出せるかにかかっているのでしょうね。


 関連:岩手県競馬組合、馬券の販売委託をライブドアに打診(Milkyhorse.com)


 (11月8日付追記)
 11月4日、ライブドア高崎競馬に対する経営参入を支持する高崎競馬の調教師、騎手らの関係者が、ライブドアの計画を支援する「夢競馬を創る会 チーム・フェニックス」(代表=木村昌志調教師)を発足させた。

 この会には、高崎競馬に所属する大半の調教師、騎手、その家族らが参加。11月10日に予定されているライブドア堀江社長と、高崎競馬を運営する群馬県競馬組合の管理者である小寺弘之知事の会談に向け、高崎競馬場でで支援の署名活動を行うほか、堀江社長を歓迎する集会を実施することが決定されたという。

 11月4日に行われた決起集会には、群馬県競馬組合議会からも田島雄一議長と原富夫議員も参加し、ライブドア参入の動きを歓迎する意向を示したという。

 群馬県競馬組合議会は、本記事の11月4日付追記で報じた通り、11月1日に高崎競馬を年内に廃止する補正予算案を可決したが、田島議長は、ライブドアの提案内容次第では、臨時懇談会を開いて存続の道を模索することも考えられるという見解を示した模様だ。【中日新聞群馬版】

 なお、この高崎競馬存続派の方によるものと思しきサイトが立ち上げられており、その中で今回のライブドアによる高崎競馬経営参入計画に至るまでの経過等の説明と、高崎競馬存続へ向けての署名への協力が訴えられている。

 それによると、今回の一連の動きは、元騎手でもあった故斎藤誠調教師とライブドア堀江社長と関係があったことから、存続派の高崎競馬関係者が9月末にライブドアとコンタクトを取ったことから始まるという。10月初頭に行われた存続派の高崎競馬関係者とライブドア側との初交渉の際に、すでにライブドア側は高崎競馬の状況や新競馬法をかなり把握していて、前向きに興味を抱いていたことから交渉が進展。その中で、群馬県が今後も競馬の開催権を保有し続けることが高崎競馬存続の前提条件となることから、堀江社長と小寺知事との会談が必要であるとの結論にいたり、関係者の折衝により今回の会談についての内諾が得られたいうことだ。

 また、このサイトに拠れば、高崎競馬の関係者の中でも、当面の生活が保障され、再就職について十分な支援が得られるのならば廃止もやむなしとする関係者と、なんとしてでも存続すべしという関係者とに見解が分かれているところもあるようだ。

 ということで、高崎競馬の存廃問題及び高崎競馬へのライブドアの経営参入問題は、いよいよ山場を迎えつつあるようです。10月30日付追記でも記したように、当然のこととはいえ高崎競馬の関係者の中にも、今回のライブドアの動きに対して賛成派と反対派が存在するようですね。この賛成派と反対派が足を引っ張り合っても仕方のないことなので、やはり補償を手にしてお辞めになる方と、リスクを承知で存続にかける方と、スパッと線引きをしてしまったほうがいいのかもしれません。また、ここへきての廃止に向けての手続きは、やはり事務方が粛々とルールに則って進めているに過ぎないようですね。いずれにしても、11月10日の堀江社長と小寺知事との会談ですべてが決まるといっても過言ではないようです。その結果にいやでも注目せざるを得ませんね。


 関連:高崎競馬存続派の方によるものと思われるサイト
 関連:緊急署名募集! 高崎競馬「夢競馬を創る会」を結成(馬券日記 オケラセラ@馬耳東風)
 関連:現場の人はまだ諦めてない! 高崎競馬の存続署名に大急ぎで協力(打ちつづけるハズレ券散りつづける)
 関連:ライブドアによる地方競馬参入問題(競馬と株の相変わらずの日々)


 (11月12日付追記)
 高崎競馬への経営参画を表明していたライブドア堀江貴文社長が、11月10日、群馬県庁の小寺弘之群馬県知事を訪問。馬券の販売業務をライブドアが受託し、事業を存続させる計画を提案した。今後は、事務レベルで協議を継続することになると見られている。

 当日は、午前11時に会談が始まり、予定の30分間を超え、約1時間50分に及んだという。会談は非公開とされたが、報道によると堀江社長の説明に、県側が質問する形だったという。

 ライブドアの計画ではインターネットを通じた馬券販売などで黒字化できるとし、馬券販売業務の受託を提案。他の地方競馬と連携によって地方競馬全体の収益改善を図る見通しを示したという。このほかにも経営改善策として、映像の配信、レース情報の拡充、共同馬主制度の充実などを挙げたようだ。また、堀江社長は、参入初年度からの黒字化に自信を示し、試算によっては最低保障を行うことも明言したと伝えられている。

 会談後の記者会見で、堀江社長は好感触と述べたのに対し、小寺知事は、現段階で廃止の撤回を判断するだけの説明はなかったとして、今のところ慎重な姿勢を示しているようだ。

 今後の交渉は群馬県農業局が窓口となり、群馬県側からアプローチをする予定はなく、あくまでライブドアから次の提案があるのを待つ構えだという。今回の会談で、ライブドアは具体的な投資金額を提示してはいないようで、小寺知事も、投資やそれによって得られる効果について具体的な数字がなければ、廃止を撤回するための確信を得られないとしているようだ。小寺知事は、開催が終了する年末までに最終的な判断を下すとしているようで、今後具体的な数字を入れた見通しをどこまで示すことができるかが鍵となるようだ。【毎日新聞】【スポーツニッポン】【Keiba.co.jp地方競馬総合サイト】【朝日新聞群馬版】


 (11月13日付追記)
 11月11日、高崎競馬の関係者に対する第1回の補償交渉が、境町トレーニングセンターで行われたと伝えられている。群馬県および群馬県競馬組合側は、調教師や騎手、厩務員に対し、「基本金」として最大で、過去3年間で算出した平均年収の1年分の8割に相当する額を支給し、移転に伴う費用の補助は最高で約19万円と提示した模様。しかし、算出方法や支援期間などを巡って折り合いがつかず、今後も協議を続けることになったようだ。

 この日の交渉は調教師、騎手、厩務員の各団体の役員に対し、群馬県地方競馬対策室と群馬県競馬組合の職員が、金銭支援の概要について団体別に説明。給料に賞金諸手当などを合計した2001〜2003年の3年間の年収平均額の8割を12で割り、これに支援月数を掛けたものを基本金として提示。支援期間は最長12カ月間で、7カ月目以降に就職が決まった人は就職した月までの支給とする方針を示した。

 移転費用の補助としては、引っ越し費用として最高10万円、移転先の選定費用や転居通知費用なども支給対象としたという。

 また、11月10日に小寺弘之群馬県知事と会談し、高崎競馬への経営参画を申し入れたライブドアに関する説明はなかったという。

 こうした行政側の説明に対し、基本金の算出方法や支援期間、勤続年数に応じた加算などに関して各団体がそれぞれ要望を提出。高崎競馬の関係者たちは、補償金額が低すぎるとして不満を隠せないようだ。

 群馬県などは現在、就職や住居に関する競馬関係者の個別の意向調査を実施しており、11月12日から関係者との個別面談を開始する予定だという。

 また、11月12日には装蹄師や獣医師の役員に対しても、支援内容を提示する予定。【毎日新聞群馬版】


 (11月26日付追記)
 11月19日、競馬事業の民間委託を可能とする2005年1月施行の改正競馬法に関し、その委託範囲を決める政令閣議決定した。これを受け、農水省は「馬券販売委託を計画するライブドア案は法律的に問題ない」との見解を示し、ライブドアの参入計画について、とりあえず法律上の裏付けを得る形となった。

 今回の政令では、馬券販売と払戻金の交付、競馬場の警備事務などについて、民間委託が可能であることを明記。ライブドアは、高崎競馬を運営する群馬県競馬組合から馬券販売の委託を受け、インターネットを利用した販売とレース中継などを行うことを計画しているとされている。

 今年6月に成立した今回の改正競馬法は、競馬実施事務の民間委託を可能としていたが、具体的な委託範囲については政令で定めるものとされ、これまでその内容がはっきりとは決まっていなかった。【中日新聞群馬版】

 一方、ライブドアの計画と同時進行で進められている、競馬関係者に対する生活支援交渉については、予想通り難航しているようである。 

 群馬県は、11月11日、12日に、高崎競馬が廃止された場合に失業することとなる調教師35人、騎手17人、厩務員117人、装蹄師10人、および馬主に金銭支援の概要を示したが、高崎競馬の指定獣医師4人は支援対象から外していた。群馬県と直接雇用関係にないだけでなく、専門資格があり、すぐ再就職できるというのがその理由だという。

 高崎競馬には、群馬県競馬組合の指定獣医師4人が所属し、境町トレーニングセンターで診療に当たっている。公正競馬の確保のため、競走馬は指定獣医師以外は基本的に診療できないとされる。また、獣医師には、禁止薬物使用の有無などを管理する診療日報の提出が義務付けられている。

 こうした背景から、これまでに廃止された他の地方競馬では、指定獣医師も支援対象になっていた。例えば、上山競馬の廃止の際には、上山市が1人あたり見舞金120万円を支出。新潟競馬の廃止の際にも新潟県から救済金が支出されたという。【中日新聞群馬版】