[笠松]第15回全日本サラブレッドカップ(統一GIII)|優勝:ディバインシルバー|父:シルバーデピュティ|生産:米国・Redwood Partners

 笠松で行われた統一重賞全日本サラブレッドカップ(統一GIII)は、単勝2番人気のディバインシルバー(牡6歳)[安藤勝己騎手、和田正道厩舎(美浦)]が、道中2番手追走から直線抜け出して優勝した。勝ちタイムは1:26:6。

 【Keiba.co.jp地方競馬総合サイト】 [農林水産大臣賞典・3歳以上9歳以下:笠松・ダート1400m:別定・晴・良]

 前走JRAの条件戦で大敗して人気を落としていた岐阜金賞勝ち馬の父トーヨーリファール産駒ヨシノイチバンボシが、好位追走から直線しぶとく伸びて1馬身差の2着と大健闘。大井から遠征してきたアフター5スター賞4着のカセギガシラが、中団から伸びて3着。昨年の全日本2歳優駿(統一GI)勝ち馬アドマイヤホープは、中団追走から流れ込んで4着。大井から遠征してきた御神本訓史騎手騎乗のエビスファイターが、スタートから逃げて5着に粘りこんだ。

 以下、佐賀から遠征してきた今年のサマーチャンピオン(統一GIII)3着馬カシノオウサマが、道中最後方から差を詰めて6着。JRA500万下からこの秋笠松に転入し、その後2戦2勝と好調のエイシンスペインは、ここでは相手が強く後方儘の7着。武豊騎手騎乗で単勝1.6倍と断然の一番人気に推されたサイレンスボーイは、いいところなく8着。昨年のこのレースの勝ち馬で、前走久々の復帰線を快勝してここに臨んだレジェンドハンターは、3番人気に推されたものの、ハナに行けずに戦意を喪失したのか早々に一杯となって9着と大敗。この春JRA500万下から園田に移籍し、姫山菊花賞を制するなど11戦9勝の好成績を挙げた上がり馬カネトシパッションは、残念ながら競走を中止した。

 勝ったディバインシルバーは、父が2002年の函館2歳S(GIII)勝ち馬アタゴタイショウなどを出しているSilver Deputyで、母がBe My Baby(母父オジジアン)という血統構成のアメリカ産馬で、馬主は櫻井正氏。3歳の1月に中山でデビューし、2戦目で初勝利。3歳の秋から3連勝してオープン入りし、その後もダートの短距離で上位を賑わすものの、昨年のJBCスプリント(統一GI)勝ち馬サウスヴィグラスらの壁に阻まれて、5歳夏のクラスターカップ(統一GIII)でようやく重賞初制覇。6歳となった今期は、黒船賞(統一GIII)、北海道スプリントカップ(統一GIII)を制したものの、ここ二走は東京盃(統一GII)6着、JBCスプリント4着と一息のレースが続いていた。

 ディバインシルバーは、ここ二走こそ一息だったが、これは不得手の大井コースが原因で、まともに走ればここは順当勝ちといったところだろう。年齢的にこれ以上の上積みは難しいだろうが、大きな衰えはなく、ダートの短距離路線では今後も堅実に上位を賑わせていきそうだ。

 2着のヨシノイチバンボシは、大健闘だが昨年の全日本2歳優駿でも3着と好走しており、JRAの条件戦に挑戦したときとのギャップを考えるに、地方の深い砂があっているということなのだろう。力をつけてきていることも確かで、今後地方競馬統一重賞では活躍が期待できそうだ。同じように、4着のアドマイヤホープも地方の砂が向いているようだ。一応復活の兆しは見せたといえるし、次走以降も注目していきたいところ。

 カセギガシラ、エビスファイターは、健闘の部類とはいえるだろうが、今回は有力馬の凡走に助けられた部分もあり、南関東での力関係から、これで統一重賞クラスにメドといえるかは微妙なところだろう。

 サイレンスボーイは、ちょっと今回は人気になりすぎた印象。レジェンドハンターは敗因が不明だが、もともと負けるときは大きく負ける面があり、条件次第ではすぐに巻き返す余地もあるのではないか。