[金沢]第52回北國王冠(D重賞)|優勝:エイシンクリバーン|父:マーケトリー|生産:米国・Jim Hawkins & Lois H

 金沢競馬の秋の大一番、北國王冠は、単勝1.2倍と圧倒的な一番人気に推されたエイシンクリバーン(牡8歳)[加藤和義騎手、佐藤茂厩舎(金沢)]が、好位追走から勝負所で早めに先頭に立ち、そのまま押し切って優勝した。勝ちタイムは2:53:2。

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 前走のサラブレッド大賞典まで4連勝でここに臨んだ今年の日本海ダービー勝ち馬センジュチカラは、積極的に先行したものの、勝ち馬に力でねじ伏せられるかたちでの2着。一昨年のこのレースの3着馬オーミアジルが、後方追走から勝負所で追い上げて3着。一昨年のこのレースの勝ち馬キクノライデンは、中団追走からそのまま流れ込んで4着。オータムスプリントカップ2着のテイクファイヤーが、先行策から流れ込んで5着。

 以下、北陸四県畜産会長賞勝ち馬サンコーキングは、中団追走から流れ込みの6着。11月に笠松から移籍してきたばかりの、名港盃勝ち馬パープルモンクは、ハナを切ったものの早々に一杯となり9着に終わった。

 勝ったエイシンクリバーンは、父が現役時代1991年のハリウッド金杯(米GI)などGIを3勝し、種牡馬としては2001年のBCスプリント(米GI)勝ち馬スクワートルスクワートなどを輩出しているMarquetry、母がCrafty Tenderoni(母父Crafty Prospector)という血統構成のアメリカ産馬で、全弟にJRA2勝(現役)のダブルブラザーがいる。馬主は木村都氏。旧4歳の3月にJRAの鈴来伸尋厩舎(美浦)からデビューし、未出走戦でデビュー勝ち。その後条件戦を順調に勝ちあがり、準OPまで上がったものの、そこからはもうワンパンチ足りないレースが続き、この夏に金沢の佐藤茂厩舎に移籍。転入後の2戦を快勝して臨んだ前走の白山大賞典(統一GIII)で、勝ったタイムパラドックスには離されたものの2着と健闘していた。

 エイシンクリバーンは、前走の好走がフロックでないことを見せる快勝。年齢的にこれ以上の上積みは望みづらいだろうが、金沢への移籍で状態が上向いていることは間違いなく、ホシオーともども金沢のエースとしてもう一花咲かせてもらいたいところだ。

 2着に入ったセンジュチカラも3歳ということを考えれば健闘の部類。サラブレッドチャレンジカップ(統一GIII)は消極的なレース運びで流れに乗れずじまいで終わったが、地元戦での圧勝振りを考えれば統一重賞クラスでもそれほどの能力差はないはず。今回も3着には5馬身差をつけているように、ホシオー、エイシンクリバーンを別格とすればこの馬の能力も金沢では抜けて上位のはずだし、血統的にまだ成長の余地は残しているはずで、次代の金沢競馬を担う存在として、いっそうの活躍を期待したいところだ。