岩手県競馬組合、馬券の販売委託をライブドアに打診

 経営難に陥り、経営改善計画の策定に取り組んでいる岩手県競馬組合(管理者=増田岩手県知事)が、高崎競馬への経営参画計画で話題を呼んでいるライブドア(堀江貴文社長)に対し、馬券販売業務の委託を打診したと報じられている。(11月12日付追記あり)

 公営岩手競馬は、現在104億円にのぼる累積赤字を抱えており、岩手県などの構成団体と岩手県競馬組合は、11月中旬をめどに、経営改革案のアクションプランを策定中。幅広い民間委託が可能となった改正競馬法の成立を受け、他の地方競馬と連携した馬券発売を民間に委託することを前提に、同組合は、広域での販売力がある企業を探していたという。

 こうした中で、ライブドア高崎競馬の経営に参画する意向を示し、2004年度限りの廃止を決めた群馬県に、廃止撤回と競馬を開催する新組織立ち上げを申し入れる意向を示したため、岩手県競馬組合は、インターネット販売などのノウハウを持つ同社との連携が起死回生策になり得ると判断。同組合幹部が10月下旬に直接ライブドア社を訪ね、高崎競馬と組んだ馬券販売の委託業務受諾を打診したようだ。

 岩手県競馬組合は、すでに進めている佐賀競馬荒尾競馬との連携とあわせ、策定中の改革案に、馬券販売のライブドアへの委託を盛り込みたい構えだという。【朝日新聞岩手版】

 もっとも、11月から岩手県競馬組合の副管理者に就任する柴田哲事務局長は、「いくつかの企業と交渉しており、ライブドアもその中の一つ。それぞれのプランを検討し岩手競馬の再建が実現できる企業かどうか最終的に判断したい。」(岩手日報)と述べているようで、必ずしもライブドアが本命とは限らないようだ。以下は記者の独自の取材によるもので、確たる情報ではないが、岩手県競馬組合では佐賀競馬荒尾競馬との連携を視野に入れた馬券の広域販売を民間に委託することはかなり以前から検討していたようで、既にその候補となる企業も水面下で模索していたようである。この件に関しては、ライブドアはあくまで高崎競馬への経営参画表明により、後付けで候補に挙がったに過ぎないようだ。もっとも、高崎競馬へのライブドアの経営参画が現実のものとなった場合には、佐賀、荒尾に加えて高崎も提携相手に加わることが可能となり、その場合には岩手競馬の馬券販売の民間委託に関して、ライブドアが優位に立つ可能性もありそうだ。


 関連:ライブドア、高崎競馬への経営参画を計画か(Milkyhorse.com)(以上11月3日付記事)


 (11月12日付追記)
 増田寛也岩手県知事は、11月8日の定例会見で、岩手県競馬組合の業務委託をライブドアに打診したことを明らかにした。

 改正競馬法の施行により業務の民間委託が可能となったため、馬券販売の委託を前提にライブドアと交渉を進めているという。

 増田知事は、9月に発表した改革案の基本方針に沿って詰めの作業を進めており、業務の民間委託先としてライブドアをはじめとしたいくつかの企業に打診していることを明らかにし、11月下旬をめどに策定される経営改善のアクションプランで具体的な取り組み内容を明らかにしたい考えを示した模様だ。【毎日新聞岩手版】