[門別]第47回道営記念(H1・D重賞)|優勝:テイエムアラシ|父:アラジ|生産:門別町・白瀬明牧場

 ホッカイドウ競馬の掉尾を飾る伝統の重賞、道営記念は、単勝8番人気の伏兵テイエムアラシ(牡5歳)[岡島玉一騎手、大崎順司厩舎(北海道)]が、道中後方追走から直線一気に差し切って優勝した。勝ちタイムは2:11:8。2着に3番人気のバンブーボカ、3着に10番人気のマンショウ、単勝1.6倍と断然の一番人気に推されたスローンフォルが9着に敗れ、三連単は395,360円の大波乱となった。

 【Keiba.co.jp地方競馬総合サイト】 [フレンチデピュティ賞:門別・ダート2000m:別定・曇・やや重]

 レースは、瑞穂賞2着のイルラーゴがハナを切る展開。テイエムアラシは、道中後方で我慢し、直線一気に伸びて粘るバンブーボカをハナ差だけ捉えた。前走C1クラスを勝ったばかりの格下ながら、2003年の日経新春杯(GII)勝ち馬バンブーユベントスの半弟という良血で、4歳となった今年の5月という遅いデビューもここまで8戦7勝という上がり馬バンブーボカは、道中2番手から4角で先頭に立ち、そのまま逃げ込みを図ったものの惜しいところで大魚を逸した。昨年の春霞賞勝ち馬マンショウは、中団からしぶとく脚を伸ばし、2着からは5馬身差離されたものの3着と健闘。瑞穂賞3着からここに臨んだ10歳の古豪デルマキングオーは、中団からジワジワ伸びて5着と掲示板を確保した。

 以下、逃げたイルラーゴは直線失速して6着。高崎記念を勝ってここに臨み、2番人気に推されたブリーダーズゴールドカップ(統一GII)5着馬のカミスドリームは、好位追走も直線失速して8着。前走の瑞穂賞で重賞初制覇を達成し、ここは断然の人気を集めたスローンフォルは、後方からの競馬で流れに乗れず、直線差を詰めたものの9着。昨年のこのレースの2着馬ライトクラウンは、後方儘の11着。フロイラインカップ勝ち馬ユミコトヨーコも後方儘の12着。近走不振も前走のミラクルアドマイヤ賞を勝って復調を示していた赤レンガ記念勝ち馬ツギタテヒカリは、中団追走も勝負所で一杯となり、大差の最下位15着に沈んだ。

 勝ったテイエムアラシは、父が、現役時代は1991年のグランクリテリウム(仏GI)とBCジュヴェナイル(米GI)を制して欧州とアメリカの双方で最優秀2歳馬を獲得し、種牡馬としては米国で2003年のハリウッドゴールドカップ(米GI)やシガーマイル(米GI)を勝ったCongareeを輩出、日本では2001年の大井記念を勝ち、2000年の帝王賞(統一GI)でファストフレンドの2着と健闘したドラールアラブアンを輩出したものの、現在はスイスに輸出されているアラジで、母がスイートノクターン(母父モガミ)という血統構成。半兄に1995年のかもしか賞を勝ったミドリタケル(父ダンスホール)、近親に1981年、82年のステイヤーズSを連覇したピュアーシンボリがいる。2003年の園田ダービー馬シンドバッドや、2003年の浦和・桜花賞勝ち馬メモリヒメを輩出している北海道・門別町の白瀬明氏の生産で、馬主は森永睦夫氏。2歳の10月のJRA鹿戸明厩舎(栗東)からデビューしたものの、JRAでは11戦して未勝利に終わり、4歳から名古屋の地辺幸一厩舎に移籍。名古屋では、4歳時に10勝を挙げるなど30戦11勝の成績を残し、5歳となった今年の夏に北海道に移籍。北海道では条件戦で5戦1勝、前走はB1の特別戦を3着してここに臨んでいた。