福田昭夫栃木県知事、県営宇都宮競馬の廃止を表明 突然の発表に競馬関係者らは猛反発

 福田昭夫栃木県知事は、10月19日、緊急に記者会見を開き、赤字が続き2005年度にはの県税による補填が避けられない見通しになったとされている栃木県営宇都宮競馬について、2004年度末での廃止を発表した。地方競馬の他場の場外発売は、2005年12月末まで限定的に継続するとされている。

 この中で、福田知事は、競馬関係者の雇用対策として栃木県庁内に再就職などの支援連絡会議を早急に立ち上げるほか、今後の対応を近く関係者に説明する考えも明らかにしたと伝えられている。【下野新聞】

  この福田知事の廃止表明に対し、栃木県馬主会など競馬関係8団体で構成される「宇都宮競馬存続委員会」は、栃木県競馬委員会が今年8月に廃止を答申して廃止に向けての流れが強まる中、福田知事に対して改善策を提案して存続を求めてきたものの、福田知事側は全く受け付けずに棄却してきた経緯もあり、猛反発している。廃止の主因とされる赤字体質についても、関係者は、放置されたままとなっている壬生町に造成した新競馬場建設用地などの資産を有効活用すれば、競馬の運営継続は可能としているようだ。【東京新聞栃木版】


 他方、このまま宇都宮競馬が廃止となれば、調教師や騎手、厩務員など競馬関係者はあわせて約530人に上り、栃木県は今後、関係者の再就職支援や生活補償などの対策に追われることになる。これについて、栃木県は、10月20日、関係者の生活再建に向けた事務に当たるため、11月1日付で競馬事務所を所管する公営競技課の職員を2人増員すると発表している。【下野新聞】