名種牡馬モガミが死亡 享年28歳の大往生

 北海道・門別町のシンボリスタリオンステーションで、功労馬として余生を過ごしていたモガミが、10月16日午前6時10分頃、心不全のため死亡した。享年28歳。モガミは、種牡馬を引退後は、シンボリスタリオンステーションで功労馬としてのんびりと余生を送っていたが、10月8日頃から衰弱の傾向が見られていたという。
 

 モガミは、シンボリ牧場の先代故・和田共弘氏と、メジロ牧場の先代、故・北野豊吉氏がフランスで生産した自家生産馬。父が大種牡馬Lyphard、母がノーラック(母父Lucky Debonair)という血統構成の青鹿毛馬。現役時代はフランスで2〜4歳時に20戦3勝。

 現役時代は一息の成績だったものの、種牡馬として1980年に輸入されると、初年度産駒から1985年のダービー馬シリウスシンボリを輩出、さらに、2世代目の中からは史上初めて牝馬三冠を達成したメジロラモーヌを輩出して名種牡馬としての地位を確立。その後も、1993年のジャパンカップ(国際GI)勝ち馬レガシーワールド、1999年の秋華賞(GI)勝ち馬ブゼンキャンドルを輩出。激しい気性とタフさを併せ持つ産駒が多く、サンデーサイレンスの登場までは「気性難」の代名詞的存在だった。また、障害レースにも特に強く、1991年、92年と2年連続で最優秀障害馬に選出されたシンボリクリエンスなどを輩出した。2002年に1頭に種付けしたのを最後に、種牡馬生活を引退し、その後は功労馬として余生を送っていた。

 上記のGI馬の他、主な産駒には、1990年のアルゼンチン共和国杯(GII)など重賞4勝のメジロモントレー、1999年のアルゼンチン共和国杯、2000年の日経新春杯(GII)を制したマーベラスタイマー、1990年のマイラーズカップ(GII)、1991年の中京障害Sを制したメジロワース、1994年の中山牝馬S(GIII)、府中牝馬S(GIII)を制したホッカイセレス、1989年の中山大障害を制したメジロマスキットなどがいる。

 また、母の父としても、1995年の大阪杯(GII)、函館記念(GIII)を勝ったインターマイウェイ(父ニッポーテイオー)、1997年の日経新春杯(GII)を制したメジロランバダ(父テリオス)、1997年の新潟記念(GIII)、1998年の函館記念(GIII)などを制したパルブライト(父ペイザバトラー)、1999年に行われた第1回中山グランドジャンプ(JGI)を制したメジロファラオ(父アレミロード)などを輩出している。【日刊スポーツ】