[中央]第52回神戸新聞杯(GII)|優勝:キングカメハメハ|父:キングマンボ|生産:早来町・ノーザンファーム

 菊花賞(GI)のトライアル、神戸新聞杯(GII)は、単勝1.5倍と断然の一番人気に抑えたキングカメハメハ(牡3歳)[安藤勝己騎手、松田国英厩舎(栗東)]が、道中後方追走から勝負所で一気に進出し、直線も外からアッサリと差し切って優勝した。勝ちタイムは1:59.0。

 【JRA日本中央競馬会】 [3歳牡馬牝馬限定:阪神・芝2000m:馬齢・晴・重]

 先行策から抜け出しを図ったラジオたんぱ賞(GIII)勝ち馬ケイアイガードは、よく粘ったものの勝ち馬の決め手に屈して1 1/4馬身差の2着。武豊騎手騎乗で2番人気に推されたハーツクライは、例によって後方待機したものの、直線追い込みきれず3着まで。

 勝ったキングカメハメハは、父が1999年のサンクルー大賞(仏GI)を勝ち凱旋門賞(仏GI)で2着したエルコンドルパサーを輩出した名種牡馬Kingmambo、母がマンファス(母父ラストタイクーン)という血統構成で、半兄に2000年のサンタアニタダービー(米GI)勝ち馬The Deputyがいる。昨年11月の京都開催でデビューし、デビュー2連勝。3歳となった今期は、初戦の京成杯(GIII)こそ3着に敗れたものの、続くすみれS(OP)、毎日杯(GIII)、NHKマイルカップ(GI)と3連勝でGI制覇。続く日本ダービー(GI)も2:23.3という驚異的なタイムで圧勝。その後は、夏場を休養に充て、ここが秋初戦だった。

 キングカメハメハは、今後は天皇賞・秋(GI)に向かう見通しだが、まだ仕上がり万全とはいえない状態でこの内容なら、次走の上積みは必至。ズブさを見せていたことも、次を考えるとむしろ好感。今年の4歳世代の絶望的な低レベルもあって、古馬の中・長距離路線の層が薄いことも考えれば、天皇賞・秋でもまず間違いなく勝ち負けできそうだ。2着のケイアイガードは、スムーズに流れに乗っていたことをいれても上々の内容。もともと素質は評価されていた馬で、今後に向けて完全に目処は立った。ただ、血統的にはいかにも中距離向きという印象があり、菊花賞では距離が鍵となりそうだ。3着に終わったハーツクライは、展開が向かなかったこともあるが、ケイアイガードも交わせなかったことは不満。母が中距離で活躍したアイリッシュダンスだけに、3000mへの距離延長がどうでるかは微妙。菊花賞で勝ち負けするには展開の助けが必要となりそうだ。