[中央]第50回産経賞オールカマー(GII)|優勝:トーセンダンディ|父:ホワイトマズル|生産:静内町・小倉光博牧場

 天皇賞・秋(GI)に向けての前哨戦オールカマー(GII)は、単勝最低人気のトーセンダンディ(牡6歳)[勝浦正樹騎手、森秀行厩舎(栗東)]が、スタートからマイペースの逃げを打ち、まんまと逃げ切った。勝ちタイムは2:13.4。単勝一番人気、2番人気に推されたハイアーゲームダイワメジャーはそれぞれ4着、9着に終わり、三連単は104,490円の好配当となった。

 【JRA日本中央競馬会】 [国際・3歳以上:中山・芝2200m:別定・曇・やや重]

 道中好位につけた新潟記念(GIII)勝ち馬スーパージーンは、ゴール前外から猛追したものの、3/4馬身差の2着。日経賞(GII)勝ち馬ウインジェネラーレは、先行したものの直線切れ負けする形で3着まで。

 一番人気に推されたハイアーゲームは、道中中団で折り合ったものの、追ってからの伸びがなく4着まで。目黒記念(GII)2着のトレジャーは、後方から差を詰めただけの6着。昨年のこのレース4着のグラスエイコウオーは、後方侭の8着。2番人気に推されたダイワメジャーは、スローペースの2番手追走と理想的な展開ながら、勝負所で早くも一杯となり、直線はバッタリ脚が止まって最下位の9着に沈んだ。

 勝ったトーセンダンディは、父ホワイトマズル、母キクノトッポリーノ(母父クリスタルパレス)という血統構成。北海道・静内町の小倉光博氏の生産で、馬主は「トーセン」の冠号でお馴染みの島川隆哉氏。2歳の8月に旭川でデビューし、4戦目で初勝利。ホッカイドウ競馬で8戦2勝の後JRA入り。条件戦を着実に勝ち上がって、4歳の11月に古都Sを勝ってオープン入り。5歳となった昨年は完全に頭打ちの状態だったが、6歳となった今年は使いつつ上昇。関屋記念(GIII)4着、新潟記念3着ときてここに臨んでいた。

 今回は、デキの良さとスローの単騎逃げという展開に恵まれての勝利。時計の速い馬場もこの馬には良かったようだ。2着のスーパージーンは、最後の伸びに素晴らしいものがあった。最近はかつての追い込み一辺倒とは異なり、展開に関係なく差してこられるようになっている。現在の充実ぶりならこの秋のGI戦線でもそこそこいいレースができるのではないだろうか。ウインジェネラーレは、いい位置につけていたが、今回のように上がりの早い競馬になると若干決め手不足の面がありそうだ。−22kgの馬体重は絞れたもので、もう少し時計がかかる馬場なら巻き返しもありそうだ。4着に終わったハイアーゲームは、いい形で折り合っていたわりには追って伸びず。スローペースに嵌まった面があるとはいえ、同じようにいたスーパージーンがあそこまで伸びているだけに不満の残る内容。やはり右回りは一息の面があるようだ。次走は菊花賞(GI)の公算が高いが、距離延長がプラスとしても叩かれての大幅な変わり身がないと勝ち負けは難しいかもしれない。ダイワメジャーは、スローの2番手と絶好の展開にも関わらず失速。もともと気性が非常に難しく、鞍上の菊沢隆徳騎手やミルコ・デムーロ騎手が上手く乗りこなしていた馬だけに、乗り替わりもマイナスだったか。それにしても酷い失速振りで、−16kgの馬体からも成長に疑問が残る。今後に向けて大いに不安なレースとなってしまった。