シンボリルドルフが今年限りで種牡馬引退―今後は功労馬待遇

 1984年にJRA史上4頭目となる牡馬クラシック三冠を無敗で達成し、日本競馬史上最多となるGI通算7勝の金字塔を打ち立てた「皇帝」シンボリルドルフ(牡23歳)が、今年の種付けを最後に種牡馬生活から引退することが明らかになった。

 一昨年の種付け頭数は20頭、昨年の種付け頭数は12頭。今年の種付け頭数は3頭に留まり、受胎確認頭数はなかった。昨年の時点で既に右前脚の脚部不安を発症していたが(当時は牧場見学者に対しても、脚の写真は撮らないよう自粛を求められていた)、今年に至って反対の左前脚も痛めてしまい、現在は両前屈腱炎も併発しているという。【サンケイスポーツ】【日刊スポーツ】

 また、同馬には高齢による体力の低下も見受けられることから、これ以上の種牡馬生活の続行は体力面での負担が大きすぎると和田孝弘・シンボリ牧場代表が判断し、功労馬待遇へ移す運びとなった。総額10億円(2000万円×50株)で結成されていたシンジケート総会の議決を経て、種牡馬登録の抹消が正式に決まる。

 なお、同馬の余生については、数年前から種牡馬引退後は千葉県のシンボリ牧場本場に移動して静謐な環境で過ごさせることも検討されていたが、23歳という高齢に加えて両前屈腱炎を発症した同馬の現在の健康状態に配慮した結果、長距離輸送と環境変化に伴うストレスを避けることを重視して、長年親しんでいる現在の繋養先(門別町・シンボリスタリオンステーション)において、引き続き功労馬として遇されることになった。

 同馬の馬生については、Retsuden.com-皇帝の時代「シンボリルドルフ本紀」の叙述が詳しいので、ここでは割愛する。今後は、初年度産駒から輩出された最良の後継馬トウカイテイオー(牡16歳)を通じて、父系の継承を図っていくであろう。