[米国]ガーデンシティーBCH(米GI)|優勝:ルシファーズストーン|父:Horse Chestnut

 現地時間9月12日にBelmont Park競馬場で行われたガーデンシティーBCH(米GI)は、6番人気の伏兵Lucifer's Stoneが、スローペースの馬込みに閉じ込められる苦しい展開の中、直線半ばで強引に馬群を捌いて抜け出し、優勝した。芝9Fの勝ちタイムは1:48.80。

 勝ったLucifer's Stoneは、父がHorse Chestnut、母がLadue(母父Demons Begone)という血統構成で、ケンタッキー州産の3歳牝馬。Fasig-Tipton社の2003年2月セールで、$150,000で購買されている。管理するのはLinda Rice調教師で、鞍上のJose Santos騎手とのコンビではこれで5戦して4勝となった。

 レースは、Mambo SlewのペースメーカーのSaratoga Sugarがスローで逃げる展開となり、Lucifer's Stoneは3番手追走も馬群に閉じ込められる苦しい展開。直線では、早めに先頭に立った米国移籍緒戦のNoahs ArcとMambo Slew間を強引にこじ開けてきた。Freddie Head厩舎への移籍緒戦となったフランス産馬Barancellaが、最低人気ながらJorge Chavez騎手を背に1 1/4馬身差の2着に入る波乱。スローの番手から早目に先頭に立つ理想的な展開となったNoahs Arcは、上位2頭の決め手に屈し、勝ち馬から2馬身差の3着に終わった。

 なお、レイクプラシドS(米GII)を3 1/2馬身差で快勝したSpotlightと、米国移籍緒戦のレイクジョージS(米GIII)を2着したVenturiはスクラッチしている。

 Rice調教師は、「Jose(Santos騎手)が素晴らしい騎乗をしてくれました。私たちは、ペースが遅くなることに若干の懸念を抱いていました。私とJoseは、2頭の馬が自分達の前にいると考えていました。このレースには、2頭のGI勝ち馬が出走していて、Lucifer's Stoneは彼女達を負かさなければいけなかったわけですから。」とコメントしている。

  Jose Santos騎手は、「レース展開は予定通りのだった。私の馬は実にリラックスして走っていたよ。残り2Fの地点で、前の馬の間に入っていく形となり、気合をつけて追い出したんだ。」とコメントしている。

 Santos騎手は、7月23日にパドックでの事故により右腕を負傷。夏のSaratoga開催の大半を棒に振り、8月27日に復帰した。今回の勝利は、復帰して最初のステークス勝ちとなる。

 人気を集めたヨーロッパ勢の2頭、今年の仏1000ギニー(仏GI)勝ち馬Torrestrellaと昨年のモイグレアスタッドS(愛GI)勝ち馬Necklaceは、TorrestrellaがCorey Nakatani騎手騎乗で単勝2.6倍の一番人気に推されるも、道中揉まれる苦しい競馬となり、直線外に持ち出したものの全く伸びず6着と大敗。Nakatani騎手は、「結果論だけど、外に出して彼女をリラックスして走らせるべきだったね。外に出したときにはもう馬がやる気をなくしていたよ。」とコメントしている。一方、Necklaceは、Jamie Spencer騎手騎乗で単勝2.8倍の2番人気に推され、後方待機から捲って出たものの、直線は脚色が同じとなり、3着からクビ差の4着に終わった。

 Lucifer's Stoneは、2月にGulfstream Park競馬場で行われたヒアカムズザブライドS(米GIII)以来の重賞2勝目。前走8月2日のレイクジョージS(米GIII)では5着。その後8月23日のレイクプラシドS(米GII)に登録したものの、血液検査の数値が思わしくないことからレース当日にスクラッチしており、ここは人気の盲点となっていた。通算成績は10戦6勝で、今期は6戦4勝。獲得賞金は$405,991となった。Rice調教師によると、今後は10月16日にKeeneland競馬場で行われる芝9FのクイーンエリザベスS(米GI)を目標にするとのこと。【The Blood-Horse】