名種牡馬デピュティミニスター死亡

 現地時間9月10日、米国ケンタッキー州のブルックデイルファームに繋用されていた種牡馬Deputy Ministerが、静脈洞の疾患のためオハイオ州の動物病院で死亡した。享年25歳。

 Deputy Ministerは、父Vice Regent、母Mint Copy(母父Bunty's Flight)という血統。2歳時にはローレルフューチュリティ(米GI)、ヤングアメリカS(米GI)など9戦8勝の成績を残し、アメリカとカナダの2カ国で2歳牡馬チャンピオンに輝いた。

 その後、通算22戦12勝の成績を残して1984年から現役を引退して種牡馬入り。2年目の産駒からBCジュヴェナイルフィリーズ(米GI)に勝ちエクリプス賞米2歳牝馬チャンピオン、同3歳牝馬チャンピオンとなったオープンマインドのほか、1998年のホイットニーH(米GI)、BCクラシック(米GI)を勝ったAwesome Again、1987年のBCジュヴェナイルフィリーズ(米GI)、1988年のマザーグースS(米GI)などGIを7勝した1980年代のアメリカを代表する名牝Go for Wand、1997年のベルモントS(米GI)、ハスケル招待H(米GI)を勝ったTouch Gold、1997年のトラヴァーズS(米GI)、スーパーダービー(米GI)を勝ったDeputy Commander、1993年のシャンペンS(米GI)、ホープフルS(米GI)の勝ち馬で、同年のエクリプス賞米2歳牡馬チャンピオンとなったデヒア、1991年のホープフルS(米GI)を勝ったSalt Lakeなど多くの活躍馬を輩出し、1997年、98年には2年連続で米リーディングサイアーに輝いた。

 日本での代表産駒に1997年の東京大賞典(統一GI)を勝ったトーヨーシアトル、1997年のシリウスS(GIII)など重賞を2勝し、1997年のマイルチャンピオンシップ(GI)で、タイキシャトルの3着に入ったトーヨーレインボーなどがいる。

 Deputy Ministerは、自身だけではなく産駒の種牡馬成績も素晴らしく、Salt Lake、Silver Deputy、Awesome Again、Touch Goldらが既に米国でGI馬を輩出。日本にはフレンチデピュティデヒア、ヴィクトリースピーチなどが輸入され、フレンチデピュティの輸入前の産駒に2001年のジャパンカップダート(GI)、NHKマイルカップ(GI)を勝ったクロフネがいる。

 デピュティミニスターは、9月10日夜、ブルックデイルファームに埋葬された。今シーズンは71頭の牝馬に種付けし、来年には64頭の産駒が誕生予定となっている。【netkeiba.com】