[金沢]第15回サラブレッドチャレンジカップ(統一GIII)|優勝:トーセンブライト|父:ブライアンズタイム|生産:静内町・岡田スタッド

 3歳ダート路線の最高峰ダービーグランプリ(統一GI)のステップレース、サラブレッドチャレンジカップ(統一GIII)は、単勝2番人気のトーセンブライト(牡3歳)[蛯名正義騎手、加藤征弘厩舎(美浦)]が、好位追走から4角で先頭に立つと、直線も独走して5馬身差で圧勝した。勝ちタイムは2:11:4。

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 条件戦を2連勝してきた上がり馬オルレアンは、一番人気に推され、2番手追走から早めに先頭に立ったが、勝ち馬の決め手に屈して2着まで。昨年のシクラメンS(OP)勝ち馬テンザンダンディーが、後方追走からよく追い上げて3着。

 以下、昨年の全日本2歳優駿(統一GI)勝ち馬アドマイヤホープは、後方追走から追い上げたものの、直線はもう一伸びがなく4着まで。名古屋優駿(統一GII)勝ち馬タカラアジュディは、ハナを切ったものの、+12kgと若干太め残りだったうえにオルレアンに早めに来られる展開も堪えて失速し、5着。日本海ダービー、MRO金賞と連勝してきた地元金沢期待のセンジュチカラは、後方待機の消極的なレース運びで、最後は差を詰めたものの前を脅かすまでには至らず6着。駿蹄賞勝ち馬のメジャーガールは、ハナを切れず中団からの競馬となり、流れ込んだだけの7着。笠松のサラ・クイーンカップを勝ってここに臨んだアルトタイガーは、積極的に先行したものの、勝負所で一杯となり8着に終わった。

 勝ったトーセンブライトは、父がブライアンズタイム、母がアサヒブライト(母父ジェイドロバリー)で、祖母が1990年の函館記念(GIII)でラッキーゲランの3着に入ったコスモローマンという血統。北海道・静内町岡田スタッドの生産で、馬主は「トーセン」の冠号でお馴染みの島川隆哉氏。昨年11月の東京開催でデビュー勝ち。今季は、休み明け初戦の条件特別こそ14着と大敗したが、その後使いつつ良化し、ユニコーンS(GIII)で5着と健闘。前走、盛岡競馬場の条件交流特別を2着してここに臨んでいた。

 トーセンブライトはこれで重賞初制覇。もともと素質は高く評価されていただけに、このメンバーでは順当勝ちといったところか。2着のオルレアンも弱い馬ではなく、展開が向いた面があるにしても、これを5馬身差千切った内容は評価して良さそうだ。今後はダービーグランプリに向かうと思われるが、既に盛岡コースも経験しており、どこまでやれるか楽しみになってきた。2着のオルレアンは、展開を考えれば上々の粘り。牝馬限定戦なら十分チャンスがありそうだ。テンザンダンディーアドマイヤホープは、まずまず走っているが、今一つ消化不良のレース振りで、2歳時に比べて成長一息の感。タカラアジュディは、太めに加えて早めに交わされる展開もまずかった。絞れて強気の競馬に出れば巻き返しは十分だろう。地元のセンジュチカラは消極的な競馬がもったいない。馬場の差はあるにしても日本海ダービーの勝ち時計から、今回の勝ちタイムでも十分対応できるものはあったはずだけに、強気の競馬でどこまでやれるか見てみたかった。まだ素質は見限れないだけに、今後も統一重賞クラスでも注目していきたいところだ。