[大井]第11回アフター5スター賞(南関東G3)|優勝:ハタノアドニス|父アジュディケーティング|生産:浦河町・まるとみ冨岡牧場

 昨年から距離が短縮され、東京盃(統一GII)→JBCスプリント(統一GI)と続く秋のスプリント路線に向けてのステップレースとなったアフター5スター賞は、単勝2番人気の昨年の勝ち馬ハタノアドニス(牡8歳)[早田秀治騎手、高橋三郎厩舎(大井)]が、スタートからハナに立って逃げ切り、連覇を達成。管理する高橋三郎調教師の還暦の誕生日に花を添えた。勝ちタイムは1:11:7。

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 レースは、好発を切ったハタノアドニスがハナを切り、前走のOP特別でハタノアドニスを破ったカセギガシラが押して2番手。JRA1000万下からの転入初戦となるザブレス、前走でサンタアニタトロフィーを勝ってここは一番人気に推された上がり馬トミケンマイルズが好位を追走。マイルグランプリを勝って以来の休み明けとなったブラウンシャトレーが中団からの競馬となる。

 ハタノアドニスがマイペースで逃げる展開となり、勝負所ではカセギガシラ、トミケンマイルズブラウンシャトレーが追い上げに掛かり、直線を向くとハタノアドニス、カセギガシラ、トミケンマイルズの3頭の叩き合いとなるが、カセギガシラは脱落し、代わって外からブラウンシャトレーが追い込んでくる。しかし、内からもう一度伸びたハタノアドニスがそのまま押し切って優勝。トミケンマイルズはクビ差及ばずの2着、さらにブラウンシャトレー、カセギガシラが3着、4着と続いた。

 以下、2002年の全日本サラブレッドカップ(統一GIII)2着したこともある10歳の古豪コアレスフィールドが中団から差してきて5着。大井記念2着のアイディンワンダーは、さすがにここでは距離不足で中団から流れ込みの6着。昨年の東京記念2着馬は、ここでは行けず好位流れ込みの7着。2001年の新潟皐月賞2着馬ブルーオオマサは、後方侭の12着。好位追走も勝負所で一杯となったザブレスは、最下位の16着に沈んだ。

 勝ったハタノアドニスは、父アジュディケーティング、母グリンパサー(母父Vice Regent)という血統構成。北海道・浦河町のまるとみ冨岡牧場の生産で、馬主は(有)グッドラック・ファーム。旧3歳の12月に佐藤林次郎厩舎(美浦)からデビューし、2戦目で初勝利。その後、旧5歳時に畠山吉宏厩舎(美浦)に転厩し、5歳時には条件戦を3連勝してオープン入りを果たすも、その後は頭打ちとなって6歳の春に大井の高橋三郎厩舎に移籍。大井に移ってからもしばらくはワンパンチ足りないレースが続いたが、7歳となった昨年になって本格化し、東京盃(統一GII)など重賞を5勝してNAR最優秀短距離馬に選出された。今季は冬に3戦した後休養に入り、前走のオープン特別2着を叩いてここに臨んでいた。

 昨年の勝ちタイムに比べると一息という感はあるものの、8歳となった今年も相変わらずのスピードを見せ付けたハタノアドニス。押せ押せのローテーションで着ていた昨年と違い、一息入れて秋に備えてきたのは好感で、悲願のJBCスプリント(統一GI)に向けて、今後も好レースが期待できそうだ。2着のトミケンマイルズは、オープン入り後はやや勝ちきれないレースとなっているが、まだ4歳だけに今後の成長が期待できる。先々は南関東を背負う存在になってもらいたいところだ。ブラウンシャトレーは、休み明けということを考えれば上々のレース内容。この秋も堅実なレースを見せて、恵まれたところでチャンスを掴んでいくだろう。カセギガシラはさしあたり一線級の壁といったところか。トミケンマイルズともども今後の成長に期待だ。古豪コアレスフィールドも、離されたとはいえ見せ場は作った。もう10歳になるが、脚部不安で休み休み走っており、大きく老け込んではいない。今後も一発大駆けに注意を払っておきたい。