デラウェア州競馬委員会、薬物検査に関する協定の採択に前進

 デラウェア州競馬委員会とDelaware Park競馬場は、サラブレッド所有者・生産牧場協会の全米重賞格付け委員会による薬物検査についての協定を自主的に採択することを決定した。

 全米重賞格付け委員会は、アメリカの全ての重賞における薬物検査を改正する計画案の実施について、8月12日にニューヨークのSaratoga Springsで行われる会議まで保留としていた。7月14日、州内の唯一の競馬場であるDelaware Park競馬場の支持を受けて、デラウェア州競馬委員会は、全会一致でこの計画案を可決していた。

 デラウェア州競馬委員会議長のBernard Daney氏は、声明の中で「デラウェア州競馬委員会は、我が州で行われる全ての重賞競走およびその他の主な競走においてこの種の広範な薬物検査を実施し、全米重賞格付け委員会の計画に応じていくつもりです。我々が公益を守るためにできるもっとも大事なことは、馬の健康と福祉を擁護し、禁止薬物の使用を制限することなのです。」とコメントしている。

 デラウェア州競馬委員会の発表によれば、7月17日から18日に行われたデラウェアH(米GII)を中心とした開催で行われた全ての重賞競走における薬物検査では、一件も陽性はなかったとのことである。

 一方、デラウェア州競馬委員会は、馬の痛みを軽減するための新たな"padded whip(先が柔らかい鞭のことか?)"を全ての騎手に使わせようという動きを推進している。デラウェア州競馬委員会は、ここ2回の会議で、現在北米の障害騎手および英国で広範に使用されている"padded whip"のサンプルを示した。

 このサンプルは、長さが26.5インチで、長さが0.30ポンド。パッドがされた部分が、馬の皮膚を傷めにくいとされているようだ。

 デラウェア州競馬委員会は、鞭の変更に先立って行われる公聴会に向けて28インチと30インチのサンプルを用意している。Delaware Park競馬場の騎手の団体は、この新たな鞭を導入する動きに肯定的のようだ。【The Blood-Horse】

 禁止薬物の問題は世界的にも常に問題になってきたわけですが、最近のアメリカでは「動物愛護」の観点からこれを厳しく取り締まろうという動きが出ているようです。新たな鞭の導入に関しても、「動物愛護」の観点から鞭の使用が厳しく制限されている英国の競馬界の動きが飛び火してきたとも言える訳で、今後、競馬と「動物愛護」をめぐるアメリカの動きは、いっそう目が離せなくなってきそうです。