[中央]第40回函館記念(GIII)|優勝:クラフトワーク|父:ペンタイア|生産:白老町・白老ファーム

 荒れる重賞としてお馴染みの、函館競馬場の名物・函館記念(GIII)は、単勝2番人気のクラフトワーク(牡4歳)[横山典弘騎手、後藤由之厩舎(美浦)]が、後方追走から直線内を衝いて鮮やかに抜け出して優勝した。勝ちタイムは2:00.6。2着に単勝一番人気に推された2002年のエリザベス女王杯(GI)勝ち馬ファインモーションが入り、今年は平穏な決着となった。

 【JRA日本中央競馬会】 [農林水産省賞典・3歳以上:函館・芝2000m:ハンデ・晴・良]

 レースは、2002年の小倉大賞典(GIII)勝ち馬タマモヒビキがハナに立ち、昨年のこのレースの2着馬ヒマラヤンブルーは行けず2番手に控える展開。昨年の富士S(GIII)5着馬スプリングシオンが先団につけ、後方からクラフトワークエイプリルS勝ち馬ヤマノブリザード、そして、ファインモーションは馬群から離して後方の外を通って何とか折り合いをつける形となる。

 勝負所で山のブリザードが外を回って進出し、さらにその後からファインモーションが一気に捲りにかかって前を潰しにいく。直線は粘ろうとする先行勢を外からファインモーションが交わしてそのまま押し切るかと思われたところを、4角で内を突いたクラフトワークが一瞬にして差しきり、そのまま優勝した。

 ファインモーションはクビ差及ばずの2着。9番人気の伏兵ワイルドスナイパーが先行策から流れ込んで3着。3番人気に推された昨年の新潟記念(GIII)勝ち馬ダービーレグノは、最後方から直線勝負に賭けたものの7着まで。見せ場を作ったヤマノブリザードは直線一杯となって8着。昨年の中山金杯(GIII)勝ち馬トーホウシデンは、テンから行きっぷりが悪く、見せ場なしの10着。直線失速したヒマラヤンブルーは、最下位の13着に沈んだ。

 勝ったクラフトワークは、父が今年の新潟大賞典(GIII)勝ち馬などを出しているペンタイア、母がJRA4勝のワーキングガール(母父パドスール)で、半兄に2000年の函館記念勝ち馬クラフトマンシップ(父フレンチグローリー)、近親に1986年の皐月賞(GI)馬ダイナコスモスがいる血統。生産は白老ファームで、馬主はサンデーレーシング。2歳9月の札幌でデビューし、3戦目で初勝利。昨年は青葉賞(GII)で3着に入って日本ダービー(GI)に出走。秋は勝ちあぐねるレースが続くも、格上挑戦したテレビ静岡賞で3勝目。今期は緒戦の東京新聞杯(GIII)で2着に入ったものの、期待された続く中京記念(GIII)は一番人気に推されながら5着に敗退。その後はここを目標に調整されていた。