[荒尾]第6回九州王冠(D重賞KG3)|優勝:カシノオウサマ|父:タイトスポット|生産:門別町・今井保牧場

 夏の九州チャンピオン決定戦吉野ヶ里記念へのステップレースの九州王冠は、佐賀からただ1頭遠征してきた単勝1.6倍と断然人気のカシノオウサマ(牡5歳)[北村欣也騎手、山田勇厩舎(佐賀)]が、道中好位追走から直線抜け出して優勝。昨年に続く連覇を達成した。勝ちタイムは1:30:0。

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 レースは、JRA→上山→船橋と転戦して今年から荒尾に転入、今期未勝利ながら5戦して2着3回3着1回と堅実なインターウィッシュがハナに立ち、昨年のこのレース3着のキンシストーンが差のない2番手を追走する展開。人気のカシノオウサマは好位につけ、これをマークする位置に昨秋宇都宮から荒尾に転入してきた1998年の北関東ダービーイヴニングスキーが追走。2走前にキサスキサスキサスの連勝を24で止める金星を挙げた上がり馬テイエムウラノスは中団からの競馬となった。
 途中からキンシストーンがハナに立ち、その後も淡々としたペースで流れていたが、勝負所でペースが上がり、4角ではインターウィッシュが再び先頭。キンシストーンが一杯となり、内からテイエムウラノスが伸びてきたが、直線外に持ち出したカシノオウサマが一気に突き抜けて優勝した。

 内をついて伸びたテイエムウラノスが3馬身差の2着。4角先頭から粘りこみを図ったインターウィッシュは、さらに1/2馬身差の3着。イヴニングスキーは勝負所で置かれ、直線巻き返したものの4着まで。この春岩手から転入してきた2001年のビューチフルドリーマーカップ勝ち馬のカネサイジョオーが中団からジワッと伸びて5着。

 逃げたキンシストーンは、直線一杯となって6着に失速。今年名古屋から転入してきた2002年の白銀争覇勝ち馬アイリッシュパークは、好位追走も直線失速して8着に終わった。

 勝ったカシノオウサマは、父タイトスポット、母ターナゲイン(母父トウショウボーイ)の血統。北海道・門別町の今井保氏の生産で、馬主は「カシノ」の冠号でお馴染みの柏木務氏。2歳5月に佐賀でデビューし、3戦目で初勝利。2歳暮れの九州ジュニアグランプリで重賞初制覇。3歳時は九州クラシック三冠を達成したほか、統一重賞サラブレッドチャレンジカップ(統一GIII)で3着に入り、暮れのグランプリ中島記念も制して九州のトップに君臨。4歳となった昨年も吉野ヶ里記念を静止、サマーチャンピオン(統一GIII)で2着と健闘するなど、佐賀のエースとして活躍していたが、昨年後半は3歳馬のオペラキッスの台頭もあって勝ちきれないレースが続いていた。

 強力なライバルが不在のここでは順当勝ちといったところで昨年に続く九州王冠連覇を達成。好調の4歳世代を相手にやや苦戦気味のレースが続いているが、血統的にはまだまだ老け込む年ではないはず。「九州のオウサマ」としての復権を期待したいところだ。