公営福山競馬が枠連の馬券発売を6月13日開催限りで中止することを発表

 【山陽新聞ペーパー版】 公営福山競馬は、6月19日から枠番連勝複式(枠連枠連複)の馬券発売を試験的に中止することを発表した。日本では枠連複(枠連)は馬連複(馬連)よりも馬券としての歴史が古く、全国的にも枠連の発売を実際に打ち切った競馬場はこれまで存在していなかった。

 公営福山競馬では、2004年5月から馬番三連勝単式(三連単)の発売を開始したところ、高配当への期待から投票が三連単へ集中。枠連複の売り上げは全体の一割程度にまで落ち込んでいた。福山市競馬事務局では、「長い歴史のある枠連の発売中止は残念だが、三連単に完全に食われてしまった。馬券の種類を絞ることで、さらに購買意欲を向上させたい」とコメントしており、このまま枠連の発売を恒久的に打ち切る可能性を示唆している。

 公営福山競馬は、現在、日本国内で唯一のアングロアラブ系専門の競馬場として独自性を発揮している。地方競馬主催者の中では比較的堅調な経営を続けてきているが、肝心の経営母体・福山市の方に周辺市町村との合併問題が浮上しており、競馬事業の採算性に対する要求も一段の強くなっている。福山市競馬事務所は、民間委託型の場外馬券売場の新設を積極的に推進するなど、運営コスト削減と馬券売上増の両面作戦を展開中だが、その一環として馬券種類についても、厳選する姿勢を打ち出したと見ることができそうだ。