ケント・デザーモ騎手、スキップアウェイらが米国競馬の殿堂入り

 【The Blood-Horse】 Claude "Shug" McGaughey調教師、Kent Desormeaux騎手の2名と、Skip Away、Flawlesslyの2頭が米国競馬の名誉の殿堂に入ることが、現地時間5月25日に発表された。これは、全米の140人を超える競馬メディア関係者の投票の結果決まったもの。 殿堂入りの記念式典は、8月9日にSaratoga SpringsのHumphrey S. Finney pavilionで行われる。

 既に、最終候補が事前に発表されており、McGaughey調教師は、Nick Zito調教師、John Veitch調教師を破って選出。調教師部門は調教師免許取得後25年で選出資格を得られる。Desormeaux騎手は、Eddie Maple騎手、Randy Romero騎手、Jose Santos騎手を破って選出。騎手部門は、15年以上の騎乗経験により選出資格が得られる。

 1996年の米エクリプス賞最優秀3歳馬、1997年、1998年の米エクリプス賞最優秀古馬、1998年の米エクリプス賞年度代表馬で、北米競馬史上獲得賞金第2位のSkip Awayは、LureとManilaを破っての選出。1992年、1993年の米エクリプス賞芝部門最優秀古馬牝馬のFlawlesslyは、Mom's CommandとSky Beautyを破っての選出。殿堂馬については、引退レースから5年で選出資格が得られる。

 McGaughey調教師は、1985年の最優秀古馬Vanlandingham、1991年の最優秀古馬牝馬Queenaなど、8頭の米エクリプス賞受賞馬を輩出したほか、自身も1988年にエクリプス賞を受賞。ニューヨークを拠点としてPhipps familyの専属調教師として20年近くパートナーを組み、Personal Ensign、Easy Goer、リズム、Heavenly Prize、Inside Information、Storm Flag Flyingといった名馬を輩出した。BCシリーズは計8勝。Easy Goerで制した1998年のベルモントS(米GI)をはじめ重賞238勝。獲得賞金は8200万$を超える。

 Desormeaux騎手は、1987年に見習い騎手チャンピオンとなり、その後1989年と1992年にエクリプス賞を獲得。1989年に挙げた年間589勝は、現在も米国の最多勝記録。また、1998年のReal Quiet、2000年のFusaichi Pegasusケンタッキーダービー(米GI)2勝、Real Quietでは1998年のプリークネスS(米GI)も制し、BCシリーズは1993年のコタシャーンによるターフなど2勝。これまでに通算4,395勝を挙げ、獲得賞金は1億6700万$を超える。

 Skip Awayは、フロリダのAnna Marie Barnhart氏の生産で、馬主はCarolyn Hine、管理したのはその夫のHubert "Sonny" Hine調教師。Hine調教師は既に昨夏に殿堂入りを果たしている。父はHine調教師がかつて管理したSkip Trialで、母はDiplomat Way牝馬のIngot Wayという血統。現役時代の通算成績は38戦18勝2着10回3着6回。3歳時はプリークネスSベルモントSとも2着に終わったものの、オハイオダービー(米GII)、ハスケル招待H(米GI)、ウッドバインミリオン(米GI)を制したほか、ジョッキークラブゴールドカップ(米GI)で、年度代表馬のCigarを破り、米エクリプス賞最優秀3歳牡馬を獲得。翌年はジョッキークラブゴールドカップ(米GI)を連覇したほか、BCクラシック(米GI)を6馬身差で圧勝。5歳時は緒戦からGI5つを含む8連勝。最後の2戦は敗れたものの、それまでのパフォーマンスが評価され念願の米エクリプス賞年度代表馬に輝いた。現在はLexington近郊のHopewell Farmで供用されている。

 Flawlesslyは、現役時代通算28戦16勝で、特に芝ではほとんど無敵を誇った。獲得賞金は$2,572,536。Harbor View Farmの自家生産馬で、父Affirmed、母La Confidence(母父Nijinsky)の血統。当初はDick Dutrow調教師の元で走り、その後殿堂入り調教師のCharlie Whittingham調教師の元に移った。1991年〜1993年までメイトリアークS(米GI)を3連覇したほか、ラモーナH(米GI)を3連覇、ビヴァリーヒルズH(米GI)を2勝し、1992年、1993年とエクリプス賞を受賞した。