5月23日の第31回福山ダービー(D重賞)-福山は、タッカーワシュウが優勝

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 福山競馬の3歳クラシック三冠の第一弾・福山ダービーは、単勝5番人気の伏兵タッカーワシュウ(牡3歳)[鋤田誠二騎手、堀部重昭厩舎(福山)]が、好位追走から直線鋭く抜け出し、後続に2馬身差をつけて優勝した。勝ちタイムは2:01:7。

 2着に6番人気のホーエイスナイパー、3着に7番人気のメイユウオライオンが入り、単勝1.3倍と圧倒的な1番人気に推されたヤスキノショウキは6着と大敗。三連単は149,280円の大波乱となった。ダービー前の9Rで落馬負傷した岡田祥嗣騎手に替わって急遽の騎乗となった鋤田誠二騎手は、見事な金星で1996年のダギロ以来久々のダービー制覇。

 レースは、前哨戦のキングカップ3着馬ドリカムハンターがハナを切り、これに紅一点参戦のクイーンカップ勝ち馬ピアドジャザーが絡んで2頭併走の速い流れに。好位の内にキングカップ2着馬ユタカマンタロウがつけ、その外にキングカップ4着馬のタッカーワシュウ。いつも通り後方から脚を矯めて行ったヤスキノショウキは、向正面から掛かり気味にグングンと進出する。直線は一杯となったドリカムハンターにタッカーワシュウが襲いかかり、これにヤスキノショウキも食い下がろうとするが手応えが悪く失速。道中後方で我慢していた名手片桐正雪騎手のホーエイスナイパーと、人気薄のメイユウオライオンが追い込んできたものの、ゴール前は押さえる余裕でタッカーワシュウが押し切った。

 2着にホーエイスナイパー、3着にメイユウオライオンと全くの伏兵が飛び込む大波乱の結末となり、逃げたドリカムハンターが4着。最低人気のアトムビクトリーが好位追走からそのまま流れ込んで5着。

 人気のヤスキノショウキは道中引っ掛かったのが影響したのか直線バッタリと脚が止まりまさかの6着。ユタカマンタロウも直線失速して7着。昨年のヤングチャンピオン2着馬ホクザンファイズは後方儘の8着。キングカップ5着のアカイアンパンは中団追走も勝負所で早くも一杯となりブービーの9着。果敢に先行したピアドジャザーは勝負所で手応えがなくなり最下位の10着に沈んだ。

 勝ったタッカーワシュウは、父ミスタージョージ、母ワシュウミドリ(母父ミクニノホマレ)で、2000年、2001年と2年連続でNARグランプリアラブ系古馬最優秀馬に選ばれた歴史的名馬ワシュウジョージの全弟という良血馬。北海道・静内町の落合一己氏による生産で、馬主はたつかわ(株)。昨年の8月に福山でデビューし、3戦目で初勝利。重賞初挑戦となったキングカップではヤスキノショウキの4着と完敗したが、前走古馬格付けの条件戦を快勝し、調子を上げていた。今回は有力どころの自滅に助けられた面もあるが、好位追走からあっさりと抜け出す横綱相撲で内容は秀逸。デビュー以来8戦続けて1番人気に推されてきた素質がようやく開花してきた印象だ。血統的にも筋が通っているだけに、今回の一発だけで終わるとは思えない。今回不発だったヤスキノショウキ、ユタカマンタロウの巻き返しに、タッカーワシュウがどう立ち向かっていくか、今後の福山のクラシック路線は非常に面白いレースになりそうだ。