JRA月刊誌『優駿』2004年5月号のレビュー(4月24日発売開始)

 特集記事は「2歳馬情報」。PART1「牧場別期待馬紹介」では、千歳市社台ファーム早来町ノーザンファーム静内町ビッグレッドファーム門別町ファンタストクラブ鳥取県大山ヒルズで育成中の2歳馬55頭を紹介。また、近年GI優勝馬を出した主な繁殖牝馬や近年重賞勝ち馬を2頭以上出した主な繁殖牝馬の2002年産駒についても触れられている。

 また、今号の連載記事『競作ノンフィクション・シリーズ』では、納富廉邦氏による執筆で「ハルウララ現象とは何なのか?〜ブームの本質に迫る」が掲載されている。個々の事実関係については目新しい記述こそなかったものの、2003年6月13日・高知新聞での記事掲載→2003年7月23日・毎日新聞での記事掲載&フジテレビ系列『とくダネ!』での紹介→(いろんなこと)→2004年3月22日の武豊騎手騎乗までの経緯が時系列に沿ってまとめられているので、「こんなこともあったな」という備忘録・資料としては有益である。

 主催者サイドとしては、本当はイブキライズアップを売り出すはずだったのに、なぜハルウララだったのか―。高知県競馬組合側は、2003年8月頃にNHKから『にんげんドキュメント』の枠で取材依頼が届いたときに「競馬ニュースではない…従来の競馬的な考えでは対応できなくなる」と悟ったとのこと。「ハルウララの人気が(地元・高知からではなく)先に東京や大阪で火が付いた」後、「競馬を全く知らないファンによる、競馬関係者の想像を超えた反応が増えて」いき、「負けが突き抜けて、アクティブへと転化したような感じ」という筆者による分析は、ミもフタもないながらも結構面白い分析ではないだろうか。

 ちなみに、同時掲載されている橋本大二郎高知県知事のインタビュー記事では、「ハルウララブームは地方版プロジェクトX」というくだりもあるので、参考までに。