3月27日のペガサスジャンプS(J・OP)は、エアジュークが優勝

 【ラジオたんぱ】 外国馬2頭を迎えて行われた、中山グランドジャンプ(J・GI)の前哨戦ペガサスジャンプSは、8番人気のエアジューク(せ6歳)[大江原隆騎手、伊藤正徳厩舎(美浦)]が優勝。2着に5番人気のマイネルユニバースが入り、馬単24,410円の大波乱となった。

 レースは、ペースを握ると見られたベストオブジュリー、ダイワデュールの2頭がともに控え、超スローペースで流れる意外な展開。勝負所で馬群が一塊となり、直線での追い比べでの決着。勝負所で馬群を縫って追い上げた名障害馬ゴーカイの弟のマイネルユニバースが、一旦は抜け出しに掛かったが、伏兵エアジュークが外からまとめて差しきった。

 昨年の東京ハイジャンプ(JGII)を勝って以来のレースとなったダイワデュールは、今日は休み明けということを考慮してか、前半はじっくりためての追走。勝負所で進出し、直線は抜け出すかに見えたが、休み明けの分か最後の踏ん張りが利かず3着。

 以下、スローペースで掛かり気味に先頭に立ったアルファダンジグが、そのままスローに落とし込んで4着に流れ込み。ニュージーランドから参戦のニコバリーは、テンこそ置かれ気味だったものの、スローペースだったこともあって徐々に流れに乗り、直線もじわじわ追い上げて5着に入った。

 昨年の中山グランドジャンプ(JGI)勝ち馬ビッグテーストは、道中飛越も悪くて流れに乗れず、早目に気合をつけて追い上げたものの、直線は息切れして6着と大敗した。

 オーストラリアから参戦のミスティーウェザーは、超スローペースに加えてバンケットの下りで馬が完全に引っ掛かってしまい、早々に息切れ。大差の9着に沈んだ。

 勝ったエアジュークは、父ティンバーカントリー、母イクテリーナ(母父セクレト)という血統構成。3歳の2月にデビュー勝ち。しかしその後は勝てず、平地8戦1勝で障害入り。一戦毎に上昇し、二走前に障害5戦目で初勝利。その後は休養に入り、休み明けを一叩きしてここに臨んでいた。

 今回は道中かなりのスローペースで、一団の流れから上がりの競馬となっただけに、ブランディスや関西勢が参戦して流れが速くなることが必至の中山グランドジャンプ本番に向けて、どれだけ参考になるかは微妙なところ。勝ったエアジュークは、結果的に最後に外から仕掛けたのが正解で、いかにも流れに恵まれた感があったし、2着のマイネルユニバースにしても、スローペースで道中置かれずに追走できたのが好走の大きな要因だけに、本番ではまず流れに乗ることができるかが鍵になりそうだ。

 逆にダイワデュールは、このスローペースでも折り合って追走できたのは収穫。負けたのは休み明けの分で、叩いた本番では十分上位が狙えそうだ。一方心配なのはビッグテースト。中間熱発して順調さを欠いた面もあったようだし、パドックでもどことなく歩様にぎこちなさがあっただけに、負けたこと自体はそう悲観することはないのだが、道中の飛越も今一つで流れに乗っていなかったのは本番に向けての懸念材料。昨年暮れに中山大障害(JGI)が順延になって以降、苦手の東京コースで大敗するなど、とにかくリズムが悪い。中2週でどこまで立て直してこられるかだろう。

 外国馬は、先着したニコバリーは、やはりスローペースで苦もなく追走できたのが大きい。最後伸び切れなかったのは輸送明けだった分もあり上積みが期待できそうだが、本番では速い流れに対応できるかが課題。逆にミスティーウェザーは、スローペースで引っ掛かってレースにならなかった。本番では流れが速くなるだけにその点はプラスだが、引っ掛かったにしても失速が早く、折り合ってどこまでスタミナを持たせられるかがポイントとなりそうだ。