第6回阪神スプリングジャンプ(JGII)は、マイネルイースターが優勝

 【JRA日本中央競馬会】 [障害・4歳以上:阪神・直線芝3900m:別定・晴・良]

 道中終始好位で脚を矯めていたマイネルイースター(牡5歳)[岩崎祐己騎手、加用正厩舎(栗東)]が、直線で先行する2頭を捉え、最後は1/2馬身差抜け出して優勝した。勝ちタイムは4:21.6。

 道中は2連勝中で、単勝1.4倍と圧倒的一番人気に支持されたシアトルリーダーがハナを切り、これを一昨年の中山大障害(JGI)勝ち馬のギルデッドエージが終始マークして進む展開。勝負所からこの2頭が後続を引き離しにかかり、マッチレースとなるかと思われたが、好位でこれを見ていたマイネルイースターが強襲。3頭の叩き合いを、最後は余力を残していたマイネルイースターが制する形となった。

 昨年の京都ハイジャンプ(JGII)など、オープンクラスで2着が4回と堅実なクールジョイは、今回は行きっぷりが悪く、直線追い上げたものの3着からは7馬身差離された4着まで。前走春麗ジャンプSを勝って勢いに乗るマイネルオーパーは、いつもより積極的に追走したものの、ラストの伸びを欠いて5着。牛若丸ジャンプS3着のテイエムハヤカゼは、好位につけたものの、ラストの決め手が甘く6着に終わった。なお、小坂忠士騎手騎乗のルドルフロードが3周目第4号障害飛越の際、他の馬に関係なく転倒して、競走を中止。また、藤井正輝騎手騎乗のナムラエキスプレスが、先に転倒したルドルフロードに触れ転倒して、競走を中止した。小坂騎手は右肘打撲、右手関節打撲、右足関節打撲、藤井騎手は骨盤骨折、右鎖骨々折、頭部打撲で全治3ヶ月。ルドルフロードは残念ながら予後不良となった。

 勝ったマイネルイースターは、父ラストタイクーン、母オールセインツデイ(母父Alyder)の血統。2歳9月の阪神開催でデビュー勝ち。しかし、その後は9戦して4着が最高と頭打ちとなり、4歳になって障害入り。障害入り当初は苦戦が続いたが、昨夏の小倉で12戦目にして障害初勝利。その後休養明けを一叩きされた三木ホースランドパークジャンプSでエイシンエーケンの3着と健闘。しかし、年明けの3戦は5、5、9着と一息の内容で、ここは人気の盲点になっていた。

 勝ったマイネルイースターは、直線が芝に変わって一変した印象。展開が向いた面もあるだけに、2、3着馬との能力比較は微妙なところだが、末脚が生きる展開になれば今後も重賞で目が離せない存在となりそうだ。2着のシアトルリーダーの評価は微妙なところ。重賞初挑戦、終始マークされる展開を考えれば上々の内容で、重賞級でも十分に目途を立てた内容といえる一方、単騎で行けていただけに差されたのは不満がないとはいえない。平地時代から極端に矯めるか、一本調子の逃げを打つかという脚質だっただけに、ブランディスが出走してくると思しき中山グランドジャンプ(JGI)では、展開が鍵を握ることになりそうだ。逆に、ギルデッドエージは、休み明け、63kgの斤量を考えれば上位3頭では最も内容が濃いといえそう。ラストの追い比べで見劣ったのは、休み明けと斤量の分。ベストとはいえない阪神コースでこの内容なら、中山グランドジャンプでの巻き返しは必死だろう。
 クールジョイは、阪神コースが合わないという面もありそうだが、一線級相手だと若干決め手が足りない印象。時計がかかる展開になればあるいはといったところか。マイネルオーパーはやはり矯めてこその印象。関西に遠征という不利を考えれば悪くはない内容で、本来の待機策から展開が嵌れば、いつでも一発が怖い馬だ。


 なお、同日に中山競馬場で行われた第22回中山牝馬S(GIII)は9番人気のオースミコスモが優勝、日曜日に中山競馬場で行われた第18回クリスタルカップ(GIII)は、一番人気のタイキバカラが優勝、阪神競馬場で行われた第38回フィリーズレビュー(GII)は、2番人気のムーブオブサンデーが優勝した。