第15回ローゼンホーマ記念(D重賞)-福山は、ユノエージェントが優勝

 【NAR地方競馬全国協会】 [福山グランプリ・アラブ・4歳以上:福山・ダート1800m:規定・晴・良]

 地方競馬記録のデビュー以来40戦連続連対、アラブの獲得賞金最高額の生涯収得賞金152,880,000円という記録(いずれも当時)を持つ福山の伝説的名馬、ローゼンホーマを讃える名物レース、ローゼンホーマ記念は、単勝1.8倍と断然の一番人気に推されたユノエージェント(牡4歳)[嬉勝則騎手、番園一男厩舎(福山)]が、直線の競り合いをハナ差制して優勝した。勝ちタイムは2:00:5。鞍上の嬉勝則騎手は、これで福山の重賞を4連勝。

 レースは、新春賞を制した快足牝馬ラピッドリーランがハナを切り、-11kgとキッチリ絞れてきたユノエージェントが、これを2番手追走から3角で一気に交わしにかかる展開。勝負所でユノエージェントが先頭に立つと、道中後方待機から一気に捲って出た福山大賞典勝ち馬のユキノホマレがこれを追う形に。直線は2頭のマッチレースの形となり、一度はユキノホマレが交わしたかと見えたが、最後の最後でユノエージェントが差し返して、並んでのゴール。結局、ユノエージェントがハナ差先着していた。

 佐賀の西日本アラブ大賞典から連闘となったユキノホマレは、距離不足の1800mながら早めの競馬でこれを克服。完全に勝ちパターンになったかと見えたが、最後は嬉騎手の執念に涙を飲む形に。とはいえ、この距離での好走は大いに収穫で、得意の長距離戦なら巻き返しも十分だろう。

 逃げたラピッドリーランは、マイペースでは行けたもののユノエージェントに早めに来られて8馬身差の3着。昨夏園田から転入してきた、全日本アラブグランプリ2着馬のクールフォーチュンは、後方から追い上げたものの前を脅かすまでには到らず4着まで。昨年暮れに上山から移籍し、前走で移籍後初勝利を挙げたレビンマサは、現状ではまだ力差があるのか、中団追走も直線一杯の8着。ここ2走が不調の福山大賞典3着馬モナクカバキチは、今回もいいところなく最下位の9着に終わった。

 勝ったユノエージェントは、父ニホンカイユーノス、母ミスオリビアン(母父ファストセンプウ)で、兄にマンペイ記念勝ち馬アポロスイセイがいる血統構成。2歳の8月にデビューし、3戦目で初勝利。全日本アラブ2歳優駿を3着して台頭し、キングカップ、福山ダービーを順当勝ち。しかし、夏を越えてややスランプに陥り、鞆の浦賞、全日本アラブグランプリをいずれもスイグンの2着、5着と完敗。それでも、スイグンのいないアラブ王冠で二冠を達成し、今年は初戦の福山大賞典を4着と敗れたものの、距離短縮した福山マイラーズカップを快勝して調子を戻していた。今後は、対4連敗中のスイグンの打倒と、距離の克服が課題となりそうだ。