岩手県競馬、競馬会館売却できず赤字100億円超す見通し

 【朝日新聞岩手版】 経営不振に悩む岩手県競馬組合が、盛岡市上田の旧盛岡競馬場跡地と同市神明町の競馬会館の2003年度中の売却を断念した模様。これは、一般公募入札の締め切りまでに買い手がつかなかったためと見られる。同組合は2003年度の予算に、これらの売却収入として21億円を計上していたが、全額を歳入不足とする方針。当初、83億円あまりとみられていた累積赤字は、100億円以上に膨らむ見通し。

 旧盛岡競馬場跡地は、これで2年連続で買い手がついていない。計画では、旧競馬場全体の3分の1にあたる2.3ヘクタールは、競馬組合が売却することになっており、同地は都市計画法の市街化区域になっているため住宅地になる予定だった。残り3分の2は、盛岡市が引き取って、現在複合福祉施設にするための整備をしている。2月16日の現地説明会には、住宅開発会社1社が見学に来たものの、応札には至らなかったようだ。

 競馬会館は現在、組合が事務所として使っていて、テナントも入っている。地上9階、地下1階の鉄筋コンクリート造りで、広さは敷地面積が1189平方メートル、床面積が5150平方メートル。組合は、建物と敷地のセットで販売する方針でいる。2月17日の現地説明会には、マンション開発会社など3社が見学に来たが、こちらも応札はなかった模様。

 県競馬組合の石川誠副管理者は「今は公募入札だけだが、2004年度はこちらから個別に買い手を探すことも検討したい」と話したとのこと。