第48回阪急杯(GIII)は、サニングデールが優勝

 【JRA日本中央競馬会】 [阪神・芝1200m:別定・晴・やや重]

 高松宮記念の前哨戦阪急杯は、3番人気のサニングデール(牡5歳)[吉田稔騎手、瀬戸口勉厩舎(栗東)]が、ゴール寸前で差しきって優勝した。勝ちタイムは1:08.5。

 レースは好発を切って内からハナに立った昨年の函館スプリントS(GIII)3着馬アタゴタイショウを、外から押して押して一番人気のギャラントアローが交わしていく展開。無理が堪えたのか直線を向いたところでギャラントアローは一杯となり、これを交わしたアタゴタイショウが粘るところを外からシーイズトウショウが交わして先頭。そのまま押し切るかと見えたところを、好位の内の苦しいところから馬群を縫って伸びてきたサニングデールが、吉田稔騎手の豪腕に応えて寸前でアタマ差差しきった。

 2着にシーイズトウショウ、3着にテンシノキセキが入り、粘り込んだアタゴタイショウが4着。シルクロードS(GIII)勝ち馬のキーンランドスワンは、中団追走から一瞬差しきるかの伸びを見せたものの、最後は脚色が鈍って結局5着止まり。

 1番人気のギャラントアローは、やはりテンに無理する展開が堪えたのか、結局8着に沈んだ。

 勝ったサニングデールは、父ウォーニング、母カデイサデー(母父Darshaan)の血統。2歳11月の中京開催でデビュー勝ちし、3歳時はファルコンS(GIII)、函館スプリントSと重賞を2勝。昨年はシルクロードS3着、阪急杯2着と調子を上げていったものの、本番の高松宮記念では大外枠を引く大きな不利に泣いて惜しくも2着。その後はしばらく調子を落としていたが、前走のシルクロードSでトップハンデを背負いながら僅差の3着に入り、復調ムードを見せていた。

 これで休養中のデュランダルを除いた殆どの有力馬が出揃った形となるが、今回の上位二頭はいずれも中京コースで実績があるだけに、本番でも上位争いができそうだ。今回休み明けながら4着に粘ったアタゴタイショウも成長が伺える。本来は時計のかかる馬場が得意なだけに、最終週で馬場が荒れるようなことがあればあるいは一発もあるかもしれない。キーンランドスワンは、今回の内容からするとやはり坂のある阪神ではパンチ不足。ベストは京都コースだろうが、平坦の中京に変わるのはプラスと思われ、もう少し走れそうだ。ギャラントアローは、今回はきつい流れになったのが全て。本番でも楽に行けるかは微妙だが、すんなりハナに立って後続が牽制するような流れならば一変も十分だろう。