任天堂・電通出資のエヌディーキューブがWeb競馬新聞サイト「競馬が好き!」を今夏開設

 【gc-inside.com】 任天堂電通が出資して設立されたゲーム開発会社「エヌディーキューブ」が、新規事業としてWeb上での競馬新聞「競馬が好き!」を立ち上げることが明らかになった。開設時期は、2003年夏頃を予定しているが、秋口までずれ込む可能性もある。

 このウェブサイトは、「新しいデバイスを用意し、既存のサイトとは違った展開をしていく方針」によってコンテンツを構築していく方針だというが、同時にリクルート・ナビで募集開始されたスターティング・メンバー求人情報の条件は「最新のレース情報などを元に、毎週の馬柱・予想記事・レース結果・コラムなど電子競馬新聞に必要なコンテンツを企画・編集する仕事で、35歳位まで。競馬の知識のある方、もしくは競馬の好きな方」となっている。

 「Web上の競馬新聞」型コンテンツを提供している既存ウェブザイトには、広義の意味でデータベース提供型も含めると、主催者系の「JRA-VAN (NEXT)」「D-net (レース情報)」、競馬専門誌系の「競馬ブック(情報検索サイト)」「競馬道OnLine」、ネット専業系の「Mynet競馬新聞(netkeiba.com)」「JRDB」などが先行しており、それなりに競走過多な市場を形成している。しかも、この分野においては、主催者系「公式情報」と、既にブランドが確立している競馬専門誌系による優位は、当面揺るがないという観がある。任天堂電通コンビが、どのようなアプローチ・業務提携を競馬サークル側に持ちかけるのかにも左右されるが、単体でこの分野に進出するのだとすれば、よほど入念な経営戦略が必要なのではないだろうか。

 また、万が一、この新規事業が、「予想記事」「コラム」等をも充実させて「ニュースサイト」系に歩み寄ってくるものであるとするならば、スポーツ新聞系の既存サイト(サンスポ、スポニチ、日刊スポーツなど)と競合するし、比重を記事に移せば移すほど採算度外視(ある意味、最強)の個人ニュースサイト・ブログ系とも競合することになるが、この点はどのような経営判断がなされているのだろうか。

 競馬ウェブサイトの有料化をめぐっては、最近ではgooとサンケイスポーツが提携した有料会員制サイト「goo 競馬特集」が2003年5月〜11月のわずか7ヶ月間で閉鎖したことが記憶に新しい。また、企業運営による競馬サイトの雄「netkeiba.com」ですら、競馬コンテンツ事業から大規模ウェブサイト構築システム(4Less Internet)販売事業へと、経営資源・収益源の比重を移しつつあることを考慮すると、「競馬が好き!」の今後についても興味が尽きないところではある。