第11回平安ステークス(GIII)はタイムパラドックスが優勝

 【JRA日本中央競馬会】 フェブラリーS(GI)の西の前哨戦、平安Sは5番人気のタイムパラドックス(牡5歳)[安藤光彰騎手、松田博資厩舎(栗東)]が、好位追走から直線の競り合いをアタマ差制して優勝した。

 [京都・ダ1800m:別定・曇・良]

 昨年のこのレース2着のクーリンガーは、積極策からよく粘ったものの、最後は安藤光彰騎手の豪腕に追い負ける形で僅差の2着。東京大賞典(統一GI)3着のビワシンセイキ武豊騎手騎乗で一番人気に推されたが、前残りの流れを捕らえきれず3着に終わり、馬単は28,640円の波乱となった。

 近走不振の昨年の勝ち馬スマートボーイは、押して押してハナに立ち、終始クーリンガーに絡まれる厳しい流れだったものの、直線しぶとく粘って5着に入り復調ムード。

 昨年のJBCクラシック(統一GI)5着で、今期東海公営のエースとして期待されるミツアキタービンは、好位追走から手応えよく前に並んだかに見えたが、直線はいつもの粘りがなく6着に失速。高崎から参戦のテンリットルは、道中最後方に置かれたものの、直線はしぶとい伸びを見せて7着とまずまずの頑張りを見せた。

 一方、2番人気のシロキタゴッドランは中団あたりを追走したものの、直線はあっさり失速して11着。条件戦を2連勝して臨んだトライワンズラックは、いつもよりは前目に位置したものの、直線伸びず12着に終わった。

 勝ったタイムパラドックスは、父ブライアンズタイム、母ジョリーザザ(母父Alzao)という血統構成。3歳3月の阪神開催でデビューし、2連勝。その後も鋭い末脚を武器に条件戦を着々と勝ち上がり、オープン入り。その後は今ひとつ詰めを欠いていたものの、昨年秋のトパーズSで初のオープン勝ち。近二走は若干勝負所でのズブさを見せるようになったいたが、安藤光彰騎手に乗り替わり、ビッシリ追われて競り合いを制した。

 2着のクーリンガーともども京都の1800mがベストのタイプと思われるだけに、今回の結果はフェブラリーSに即繋がるとは言い難いように思われるが、条件が揃えば今年の活躍は期待できそうだ。3着のビワシンセイキは、今回も詰めの甘さを見せて3着。確かに前残りの展開に嵌った感もあるが、正直、誰が乗ってもどう乗っても詰め切れない印象が拭えない。いっそのこと一気に走れる短距離の方が合っているような印象を受けるがどうだろうか。ミツアキタービンの直線の失速は正直意外。粘りが身上のタイプだけに、もっと頑張れると思えたのだが…。昨年のパフォーマンスからし統一重賞クラスでも充分勝ち負けになるはずの馬だけに、今後の立て直しに期待したい。