高知県競馬、約5100万円の黒字を確保するも馬券売上は前年比25%減

 【高知新聞】 2004年1月9日、公営高知競馬の平成15年度第3四半期(2003年10月4日〜2004年1月4日)馬券売上収支が、他場発売を含めて約2700万円の単期黒字であることが明らかになった。2003年4月以降の累積黒字は約5100万円にまで上積みされた。

 もっとも、馬券売上そのものは前年比25%減と縮小傾向に歯止めがかかっていない。これまでの黒字計上は賞金削減や必要経費削減など徹底したリストラ・合理化策の効果によるところが大きい。

 最近の高知県競馬では連戦連敗馬ハルウララ嬢がブームとなっているようだが、ハルウララが101戦目の出走(当然、負けた)をした2004年1月2日は約8200人という記録的な入場者を確保したものの馬券売上は約1億1300万円にとどまった。他方で、大晦日開催の2003年12月31日は約2400人の入場者で約1億2000万円の売上を確保しており、ハルウララ効果が売上増に直結しているとは到底いえない構図が浮き彫りとなってきた。

 また、馬券売上の内訳を見ると、自場発売は1四半期で約4200万円の赤字を計上している。南関東ほか他場発売が1四半期で約6900万円の黒字を叩き出したことが功を奏して、自場分の赤字を補填しているという現実を踏まえると、高知県競馬の安定的な存続には依然として課題が多いといわざるを得ない。

 ところで、高知県競馬組合では、2003年度の馬券売上総額を約97億円、約4000万円の余剰金(黒字)が生じると見込み、2004年1月以降の賞金・手当水準を若干増額する方針を明らかにしている。ここはグッとこらえて余剰金を内部留保しておく方が賢明ではないかという気もするのだが。