さようなら〜2002年供用停止種牡馬外伝その43「マタボーイの場合」

 JRHR日本軽種馬登録協会から2002年供用停止種牡馬一覧が公表されたのを受けて、MilkyHorse.comではニュースコンテンツ「文芸欄」の企画として、まよ氏@MilkyHorse.comの執筆による供用停止種牡馬の馬生を簡単に振り返る外伝を連載します。

 マタボーイ[Mattaboy(GB)]→2002年4月18日、用途変更

 1978年生。父は、HyperionOwen Tudor系のMusic Boy。同馬は現役時代にジムクラックS(英GII)、キング・ジョージS(英GIII)を勝ち、種牡馬としては本馬のほか、フェニックスS(愛GI)勝ち馬のローリングリヴァ、グロシェーヌ賞(仏GII)とプティ・クーヴェル賞(仏GII)を勝ったカインドミュージックなどを出している。母はBois Roussel系French Beige産駒のGreen Chartreuse

 2歳でデビューすると、英国2歳戦線の最重要レースの一つであるミドルパークS(英GI)を優勝。

 英国クラシックの有力候補として迎えた3歳時は、英2000ギニー(英GI)がTo-Agori-Mouのクビ差2着の惜敗。続く愛2000ギニー(愛GI)でTo-Agori-Mouに対する雪辱を狙ったものの、King's Lakeの4着に終わった。ちなみに、英・愛2000ギニー制覇を狙ったTo-Agori-Mouは2着だった。

 その後は成長力に欠き、フランス、アメリカなどにも遠征したものの、結局勝ち星を挙げることなく4歳で引退した。現役時代の通算成績は14戦2勝。

 引退後は日本で種牡馬入り。影響力の小さいアウトサイダー血脈同士の配合だけに、大物こそ輩出できなかったものの、Owen Tudor系×Bois Roussel系という日本の競馬と相性の良い血脈を受けていたこともあり、タフで安定した活躍をする中堅級を輩出した。

 主な活躍馬は次の通り。セントライト記念(GII)でダービー馬メリーナイスの3着と健闘し、旧5歳時に新潟大賞典(GIII)を制したメークアスマート。高崎大賞典を連覇し、若き日の沢田盛夫利騎手(現・岩手所属)に初重賞をプレゼントしたアームアニエリ。ダイオライト記念を制するなど船橋競馬で活躍し、中央入り後もオープン特別のメイSでダービー2着馬のメジロアルダンに1/2馬身差まで迫る(2着)などオープンクラスで健闘したハイエースボーイ。

 また、母父としては、共同通信杯4歳S(GIII)で13番人気ながらヤマニンアクロの2着に入り、馬連114,650円の大穴の片棒を担いだキンショーテガラなどを出している。