さようなら〜2002年供用停止種牡馬外伝その36「ニホンピロカラカの場合」

 JRHR日本軽種馬登録協会から2002年供用停止種牡馬一覧が公表されたのを受けて、MilkyHorse.comではニュースコンテンツ「文芸欄」の企画として、まよ氏@MiljkyHorse.comの執筆による供用停止種牡馬の馬生を簡単に振り返る外伝を連載します。

 ニホンピロカラカ(NZ)→2002年7月1日、用途変更

 1987年生。父は名馬Sir Ivorの最高の後継種牡馬Sir Tristram。Sir Tristramは豪リ−ディングサイヤーを7回獲得するなど、1980年代〜90年代のオセアニア競馬に君臨した大種牡馬で、2001年にSadler's Wellsに破られるまで産駒のG1勝ち数世界一を誇っていた。母はGrey Sovereign→Sovereign Path系Sovereign Editionを父に持つSurround。Surroundは現役時代、28戦17勝、G1を5勝した名牝で、ニホンピロカラカの姉のWatchingはA. V. キウニーS(豪G2)を2着している。

 こうした良血、また名門・伊藤雄二厩舎(栗東)所属ということで期待され、旧4歳1月のデビュー戦は武豊騎手を背に1番人気。レースでも人気に応え、2着に0.9秒差をつけて快勝した。続く、500万下のさわらび賞で一番人気ながら2着に敗れたあと、長期休養。19ヶ月の休養を経て復帰し、4戦したが、結局2勝目を挙げることはできず、通算成績6戦1勝で現役を引退した。

 引退後は宮城県種牡馬入り。産駒数は少ないながらも、同馬のオーナーである「ニホンピロ」の冠号の馬を中心に走っていたが、現在のところこれといった活躍馬は出ていない。残された数少ない産駒に希望をつなぎたいと思う一方、オセアニアに行けば引く手あまたは間違いないと思われる良血だけに、惜しい気持ちも否めないところだ。